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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-拾弐-
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そう。この固有結界は不完全。
それに気付いたのは自分ではなく紫式部だ。この空間は自分の泰山解説祭が発動していないと。おそらくサーヴァントの能力を防ぐ効果などを持たせた結界があると言っていた。しかしその場合この固有結界とぶつりあってしまう。結界同士がぶつかった場合その効果は二種類に分かれる、どちらがか勝つか、もしくは二つの結界が面積を分け合って点在するか。
しかし固有結界内部にいる紫式部にはそのどちらだとしても泰山解説祭が防がれる理由にはならない。
そして、固有結界とは本来異常な魔力を必要とする。ここから出される結論は一つ。これは既存の結界を塗りつぶしたことで作り出されたいわば擬似固有結界だということ。
擬似固有結界なら本来の固有結界と違い、脱出が可能だ。勿論、それには紫式部の力が必要だ。なのでこの場で紫式部も残って迎撃要因を増やすことは出来ない。迎撃に使えるサーヴァントはたったの一騎。それも最初から宝具も使えないほどに弱体化されたサーヴァント。
しかしそれでも負けられない理由がある。
「私も、英雄だ」
「っ!」
紫式部が息を飲み込む。
そう。我らは英雄。過去の影法師。いくらマスターが友好的に接してくれて恋人や家族という間柄になってもそれだけは崩れないいや、崩してはならない。それはお互いに対する侮辱だからだ。
そう。私は英雄としてここで死ぬ。ここで死んで明日を生者に託す。
それだけの為に死んでも惜しくないと。我々は思う。そう思えるだけものもを貰えたから。
「宝具を使う。私はそれで終わりだ。後は、任せる。汝のマスター、必ず護って見せよ」
「はい...はいっ!ありがとうございます!」
紫式部の声がそう言いながらこちらに背中を向けて走っていく。
きっと彼女たちは大丈夫だ。心配事はないがいい主従だ。紫式部の力があればここからの脱出もできる。脱出したあとはエインヘリアルの本部に言えば、翔太郎等のより強力なマスター達が来る。後はただのパワープレイだ。
ふっ。と不敵な笑みがこぼれる。こんなに強そうに見える相手も、この世界ではより上が存在してしまうのか。決して我々は力で上位に至るために戦ってきた訳では無いがこうしてみるとやはり世界は広いと感じる。
泣け無しの魔力で腕に強化を施す。正直切れたものを再び再生することは出来ないが内部に矢を突き刺すことで腕の代わりにはなる。
「不格好だな」
自らの矢が二本突き刺さり、なんならはみ出ている自分の腕を見て思わず苦笑する。こんな状態で宝具を撃つと考えると不発で終わりそうな気さえする。
しかし、放つ。これは決めたことだ。
息を止める。最後の矢を精製して天弩の弓に番える。
血がしみ出しながらもそこには目もくれ
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