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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-拾-
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力、天候の変化色々あるがそれも《知らない》手段によるもの、もう少し言い方を変えれば想定していない事態が引き起こる事だ。
それを防ぐにはどうするか、昔から戦場ではそれを防ぎながらも相手の意表をつくのに便利な立場がある。
─スパイ
「(馬鹿っ!直ぐにそこから逃げろ!)」
アタランテの声を聞くことも無く、大音と立てることも気にせずに走る。ああ、なんてわかりやすい。
何故、紫式部の泰山解説祭が封じられていたのか。確かに能力上スパイをする時や奇襲する時にかなり不利に働く。しかしそれは理由であって原因ではない。封じられたのは単純に封じる手段があった、つまりその能力を細かい詳細まで知っているということになる。なら、紫式部に接触して情報を取るのは当然のこと、そして今後不安材料になる相手を先に潰すことで戦力を広げる狙いだ。
そう考えれば子供たちが攫われている、なんて噂を流せば自分とアタランテが来るという予測も出来ただろう。だからわざわざ子供の死体をおいてアタランテを怒らせたのだ。そうすればアタランテがこちらと離れて行動する可能性が高まる。通常のマスターより強力なエインヘリアルのマスターを倒したとなれば他のマスターからすれば化け物も同然、勝てないと諦め、攻めてくる戦力はほとんど無くなる。
相手は情報戦において圧倒的なアドバンテージがあったのだ。
子供の配置、あの現象の理由も何となく掴めた。魔術に詳しいわけじゃないため、細かいところは全くだが、ホワイダニット。どうしてかということだけはわかった。触り程度ではあるが。深澤の残した言葉がよく役に立った。魔術を学ぶのも悪くは無い。
そう考えればこの廃工場の配置にも意味があることになる。ならここでとるべき最前の方法は。
「全員伏せろぉぉぉ!!!」
雄叫びを放ちながら背中から1枚の毛皮を出す。そしてそれを纏い、目の前の壁に勢いよく突進した。
いくら廃工場とは言えど壁だ。人間の体当たりなど、諸共しない。そもそも工場の壁は様々な法律の関係上強力なものになっている。
─しかしそんなもの関係ない。ぶち破れる。
全ての壁が何も無いように軽く崩れていく。
文字通り最短距離で走る。
怒号をかき消す轟音。耳を破壊するような衝撃と共にアタランテ達の前に出る。
そして、反応すら出来てない一人と二騎を両手で突き飛ばした。
突如、壁に走っていた光が、自分の体に走る。
全身が斬られた、と判断したのは、その後だった。
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