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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-玖-
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「と、言うわけだ。面白くもない話で悪いな」

 マスターから聞いた、マスターの記憶から見てしまった情報を目の前の彼女達に話す。

 光が建物の割れた穴からしか差し込まない暗く、その代わり開けた広い空間で一騎の話を一人の一騎は聴き逃したり逃げることなく、聞いていた。一人は柱に身を預けて体操座りをしており、その傍らに一騎が腰をかけている。

 正直、軽い気持ちで聞けるものでは無い。頭がおかしくなるような情報だ。力を持った人間の驕りと終わり。マスターである真木は運良く後のエインヘリアルのメンバーに助けられたがもしそれがなければ。
 殺されていたかもしれない。永遠と働かされていたのかもしれない。

 マスターとサーヴァントというこの世界でも受け入れられつつあるこの関係。しかしそれは他者から見れば一人の人間が強すぎる力を得る事になる。
 法律やルールで縛れるのならまだいい。崩壊前の日本でも三権分立などによって暴走を防いでいる。しかし今はそんなものは無い。
 文字通り好き勝手出来てしまうのだ。
 彼女達からすれば酷い話ではあるだろう。自分たちは理性的に生きているのに一部の悪者のせいで自分たちもそういう見られ方をされなければならない。特に危険から離れようとする人間には悪いイメージはそう簡単には離れない。多少の善行などまるでないように扱われるほどに。永遠に続く、なんてこともよくある事だ。

「いえ、そういうことも、あると聞いてますから...」

 一騎のサーヴァント、紫式部は大丈夫そうに言うが声が少し震えている。当然だろう。エインヘリアルに召喚されたサーヴァントである自身と違い、紫式部はマスターとの縁を伝ってきた存在。ロンゴミニアドの影響を良くも悪くも強く受ける。ある時は思想。ある時は力として現れるそれはロンゴミニアドがその愛を尊いと思ったから援助したいと思うのと同時に天王寺の家系の人間など自分に不利益に働く存在を殺すためというのもある。紫式部は今、本能的に真木を殺したくなっているだろう。深澤浩二の関係者、つまり天王寺達也の関係者であると分かれば、彼女が理性を無くせば真木を攻撃するだろう。その理性に耐えながらここまでキツイ話を聞くのだ精神的な問題とはいえ...いやだからこそ、厳しいものがある。
 しかしそれに抗っているのはそれこそマスターに迷惑をかけたくないという想いからだ。強く、ある時は攻撃性を伴って出てくるそれはダイヤモンドのような硬度を伴って紫式部の()を守る。

「人間同盟に葛城財団。そんなヤツらのことをお前たちは理解できないだろうがあいつらは元々マスターのような存在を集めた物だ。好き勝手やった色んなマスター共のツケが今になって回ってきたんだ」

 あげた反社会的勢力は全てがそう、という訳では無い。実際に彼らが組織とし
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