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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-玖-
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がいるものよ。エインヘリアル。死者の戦士と聞くが、なんとも運が悪いものよ」
男が刀を抜いていたのが見えた。いや、先程まで抜き身の刀はなかったはずだがいつの間にか抜刀した刀がその右手に握られていた。
「川本さん...え?」
葵が驚いて川本から離れると周囲の壁と天井が一瞬にして光出した。
否、壁ではなく、いつの間にか壁に走っていた、切れ目のような線だ。
聞いたことがある。魔力量を純粋に物理的な攻撃にする魔力放出を、物体に伝播させる方法。
それは最初、葵と紫式部を助けた時に見た物と、完全に一致した。
つまりこの男こそが、敵。
なぜ今まで気づかなかったのか。それが恥ずかしくなるような気持ちになりながらも矢を番えて脅そうとする。しかし、それより先にひかりが辺りから湧き上がる。
早い。これでは自分はともかく葵と紫式部はかわしきれない。彼女たちは瞬時に斬られて肉片となってしまう。
そう思った時に、一番近くにいた、自分たちを救える手が出てきた。
「全員伏せろぉぉぉ!!!」
雄叫びを放ちながら背中に毛皮をまとった祐介が葵と紫式部を突き飛ばす。
「マスっ」
そんな彼を、助けようとした時、光は広がりだした。
そして敵は、初撃で最上級の結果を出した。
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