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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-玖-
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れは、彼が出来なかったことで、後悔していることなのだろう。だからまだどうにもなる彼女たちのことは、マスターから見て良いものとして写った。
「ああ、あと汝はマスターに...」
面白がりながらも彼女達に祐介のことを伝えようと思った瞬間、噂をすれば。という感じで話をしようとしていた人物からの念話がかかる。まさかこんなところで話しの内容が聞かれてないだろうか、と思いながらも念話のないように耳を預ける。
「(アタランテ。そっちには何も無いっすか?)」
「(こちらには何もないぞ。マスター。そっちはどうだ?)」
祐介からのものは予想通り定期連絡の類だった。別段こちらには変わったことは無いためそのまま返す。
すると祐介は少し戸惑うような声をした。不思議に思って再び耳を預ける。
「(さっきと全く同じ死体っす。死体を使った魔術...って何かあるんすか?)」
さっきと同じ、という点で子供が犠牲になったということすぐにわかった。しかしそこはあえて触れずに、というよりそこを追求させないように配慮した祐介が話を振る。そこに囚われていては話にならないということもあるが、何より自分の前にこれ以上子供の死体を想像させるのはあまり良くないという彼なりの配慮だ。
「(死者を生き返らせたやつなら知ってるが今回は関係ないだろう。そいつが用いたのは蛇であって虫ではない)」
一応死者蘇生として民に優しいがマッドサイエンティスト気質な男が1人思い浮かんだがそれとは全く違うだ、即座に否定する。
しかし、また子供か、と祐介の配慮があったにもかかわらずに考えてしまう。まるで子供を限定して集めているようだ。力がないから、知識がないからという簡単な理由ではないだろう。もっと、魔術的な理由があると祐介は考えている。で、あればなんだ。
子供に魔術的な意味と言えば成長がキーワードになりそうだが、その場合時間を止めていたことが引っかかる。もし本当に時間を止めるならそれは子供である必要性がない。
ではなんだ。新鮮、不純か。しかしそれは虫でケガしてしまっている可能性が高い。やはり虫はフェイクか。
と、そこまで考えた時だった。
空気が変わった。気配と言えるほどちゃんとした形は保っていないがこれは弓を実体化させて、気配がした方向に視線を移動させる。紫式部もその様子に気付いたのか葵を半歩下がらせる。
(おい、ちょっと待て。マスター)」
思わず重い声を念話で流してマスターに伝える。空気がビリビリしているのを感じる。間違いなく魔術師、いやこの場合魔術使いか。もしサーヴァント殺しの場合守りながら戦うことを考えれば祐介がいないと危険だ。
「(アタランテ?)」
「(誰か来た)」
最悪、という訳では無いが良くない状況だ。祐介を除いた状
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