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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-玖-
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アルの名に恥じない強さを持っているがエインヘリアルのメンバーの中では特段と俗っぽい性格はしているし、見た目や性格に反してかなり惚れっぽい。化け物にされた過去があっても、わざと「っす」をつけるなど親しみやすくなるように努力してることもあり、特に女性マスターたちと交友関係が広い美鈴、そもそも外向的な仕事が多い柏原といったメンバーを置いておけばそして友人や仕事仲間もかなり多い方とも言える親しみやすさがある。
しかし、それでも過去が覆ったりする訳では無い。彼も彼なりに傷を抱えて、それを隠したり、あるいはバネに変えて動いている。それは簡単なことではないがそれより大変なのが『そう思わせない』ことにある。
彼はとても交友関係を大切にしているし、友人だと言ったら多少ウザったらしくもなるが連絡はマメにとるし多少の喧嘩で尾を引くようなことにはしない。しかしそれは『そう思わせない』ことから出来たことだ。
「葵様」
心配そうに、或いは誤解をしていたと言うように眺めている葵の隣に彼女の愛するサーヴァントが優しく声をかける。
それで安心した表情にかわった葵が大丈夫と一言言って紫式部の出した手に手を合わせて立ち上がる。
その様子を見て少し嫉妬を感じた。
サーヴァント
(
自分
)
と
マスター
(
祐介
)
の関係は仕事仲間、同僚、相棒といった関係でエインヘリアルでは翔太郎のような初めからサーヴァントの召喚に成功した人外くらすの一般人を除けばエインヘリアルの制作したフェイトシステムでそれぞれのマスターに相性のいいサーヴァントを英霊の座から新たに召喚している。マスターの魔力量などに能力が反映されるとはいえ、ロンゴミリアドや崩壊世界の影響を受けにくいからと祐介は言っていたがそれでもこのような関係は少しは憧れる。
「私は汝達がどのような過去を背負ってきたかは分からない。しかし、マスターならこう言うだろう。『許さなくてもいい。その代わり、責任は持て』」
一人と一騎の様子を見ながらも思考を先程までの話に戻す為に切り替える。
過去の詮索はしないはエインヘリアルでは暗黙の了解となっている。しかしそれでも過去から逃げるという行為は禁忌のような扱いをされている。一応名目上は研究、調査機関であるエインヘリアルとは思えない考えだが、そうなる理由はわかる。
『許せるだけの余裕と強さは必ずしもイコールで繋がられる関係じゃない。どれだけ強くなっても、許せない相手や事柄は多いだろう。しかし忘れるな。全ての行動には責任が伴う。何をするにしても、何をしないにしても。誰かを許さないというのなら、自分は、その責任を背負って生きろ。ただ、相手に怒ってばかりの人間にはなるな。惨めったらしいことこの上ない』
誰よりも自分を許せない最強のマスターがそんなことを言っていた。おそらくそ
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