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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-捌-
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人類」。この場合はサーヴァントを召喚した人間のことを指すのだろうか。おそらく世界がこうなる前に酷い目にあったのだろう。その反動がここまで来た、ということだろう。そう考えると彼の動きに説明がつく。しかし説明がつくとはいえ、納得できるものでは無い。
「ふざけ、る、なぁァァ!」
そう思うと同時に辺りが爆発するような音と共に少年が立ち上がる。その周辺には黒紫色の煙が広がる。
息をするだけで、否。それを見るだけで全身に広がる異物感。まるで身体と魂が切り離されていくような感覚が全身を支配する。地獄と現世をひっくり返したような景色。どう考えてもこの世のものでは無い。
吐き気すら消え去るその少年を傍観するように眺める男が一人。深澤だ。
「なるほど。これだけの気迫...いや呪いか。凄いな、これは。サーヴァントも敵じゃない」
ぶつぶつと何か呟いたと思ったら突如右腕を横につきだす。何をするのか。そう思ったと瞬間に軽く指を鳴らした。
その音が早かったのか、それともソレが早かったのか。自分には全く認識出来ていなかった。わかったのはただ一つ。
煙が、消えた。その中心にいたはずの少年が地面に叩きつけられてその地面には大きなクレーターが出来ている。
そして、その少年の代わりに翔太郎と呼ばれた、サーヴァントを一瞬で切り裂いた男が立っていた。その男は無表情で少年を踏みつける。その様子を見てやっと翔太郎と気付いた。意味が分からない。そもそも規格が違う物を見ているような気さえする。
「──、───!」
男が、こちらを、見た。
まるで氷のような、鋭く冷たい瞳がこちらを除く。翔太郎の黒い目に映る自分の顔が恐怖で顔を歪ませていることに気付いたのか、彼は口元を手で押えて深澤の近くに跳ぶ。
「終わりましたよ。先輩」
その声を聞いて素直に驚いた。彼が、その言葉をいた青年が、翔太郎がどう見ても年頃の男の子だったからだ。年齢は10代後半。高校生か大学生、と言ったところだろう。そんな年頃の少年が、あんな冷たい瞳を作り出せ、それがまるで演技だったかのように普通の声を出すことが出来たことに驚いた。
状況の違い、環境の違い。色々とあるだろうが、その時はまだ彼がある意味自分以上に苦しみつづける事など想像もしていなかった。
「見ればわかる。ありがとう。じゃあ、後は彼ら次第だ」
そうと見た後に彼と向き合った先輩と呼ばれた深澤も彼より少し年上の青年、といった年頃に見えた。
錯覚ではない、と気付くのは後の事だが、その頃は非常に驚いたものだ。驚きすぎて声すら出なかった。
「良いんですか?」
そんなことにも気付かない、否。気にしていない翔太郎と深澤はこちらを見回して向き合う。まるで自分たちをどう処理するか決め
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