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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-捌-
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サーヴァントに出せるたった3回の命令権。
「令呪をもって命ずる!あいつを殺し、その手に勝利を掴め!」
その命令に従った視界を埋め尽くす量の牛若丸が深澤の目の前に群がる。
無理だ。深澤の攻撃はどれだけやってもサーヴァントを弾く程度でそれも何騎かが限界。実際それでも非の打ち所のない強さだと思うが、それではサーヴァントには勝てない。守ることすらこの瞬間には不可能だろう。しかし彼のサーヴァントであるベディヴィエールはその瞬間にあろうことか相手のマスターの場所まで走り出した。相打ち狙いとも思えない無駄な特攻。勝てなかったか。そう思ってその男のことを記憶から消し去ろうと思った、その時だった。
深澤浩二の手から広がった魔術陣が一瞬で消えて、それと同時にその場に誰か出てきた。
いや、いたのか。
「───かかったな。───出番だ。翔太郎!」
目の前の、否。その空間にいた牛若丸の《《全て》》の首が、四肢が、腹が。切り裂かれた。たった一瞬の攻防。いや違う。それは殺戮だ。それを行い、その空間の中心に立つ男は人間ではサーヴァントに勝てないという常識を打ち破り、後に世界最強の、人類最強のマスターと呼ばれることになるマスター。彼がその場に立っている。
牛若丸の身体を一発一発丁寧に切り裂いたと思われる剣は刃こぼれなどせず、部屋のライトに血を輝かせている。
しかしその場の人間は突然でてきた男より急に動きを止めたと思ったら身体がバラバラになっていくサーヴァントに視線が釘付けだった。違うのは、相手のマスターに向かって走っていったベディヴィエールとそのマスターである深澤浩二、そして牛若丸を切った張本人のみ。
勿論、ベディヴィエール程の騎士がそんな隙を見逃すはずがない。相手のマスターを素早く組み伏せてその首に剣を突き立てる。
「動かないで下さい。下手に命令を出せば即座に首を落とします」
「なっ...くっ!俺が!何をしたと言うんだ!」
意外と肝が座っていたかどうかは別としてサーヴァントに対して勝負できるわけが無いのでそのままベディヴィエールに手錠のようなものをつけられて地面に叩きつけられる。
その男の前に深澤がゆっくりと歩いて腰を下げる。
「何をした...か。周辺住民43人の拉致。その為123人の殺害。これを全て命令した。間違いはないな。これじゃテロリストと変わらないぞ」
男と向き合う彼の姿はまるで犯人のトリックを丁寧に説明する探偵のようだ。
しかし男はその罪を認めない、否。認めながらもそれがどうしたと怒り出した。
「なんだと...!こいつらが好き勝手しているのは許されて、俺が好き勝手するのは許されないのか!?そもそも俺たちは選ばれた人類だろ!選ばれた人類同士で戦ってどうするんだ!」
「選ばれた
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