暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第197話:凍てつく極地にて
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た氷の大地の上を、奏と響、そしてマリアの3人が駆け抜ける。そして一気に跳躍して接近すると、響は右の、マリアは左の、そして奏は手にした槍を変形させドリルの様に回転させると、棺に向け一気に突撃した。

「最速でッ! 最短でッ!」
「真っ直ぐにッ! 一直線にッ!」
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」

 3人の合わせ技が、強固な棺の人間で言う胸元に位置する宝石のような部位に直撃する。これまで如何なる攻撃にも耐えてきた棺であったが、そこは他の部位に比べて殊更弱いのかそれとも3人の攻撃がそれだけの威力を誇っていたのか、宝石のような部分が音を立てて砕け散った。
 その光景に翼が思わず声を上げる。

「効いているッ! それだけだッ!」

 あからさまな弱点らしき部位にダメージが入った事に、成し遂げた3人が笑みを浮かべる。
 だが次の瞬間、まるで目覚めたかのように棺が動き出したかと思うと飛びあがって空中に居る3人をハエでも叩き落すかのように氷の大地に叩き付けた。

「「「うわっッ!?」」」

 氷の大地に叩き付けられる3人の姿に、颯人を始め他の者達が次々と集まってくる。その彼らに向けて、棺が砲撃準備をしているのが翼の目に映った。

「来るぞッ!」
「間に合えッ!」

 放たれる砲撃を咄嗟にクリスがリフレクターで防ごうと前に出た。が、そこで通信機からアリスの声が響いて来た。

『颯人ッ! その砲撃は埒外物理による砲撃ですッ! 通常の防御では防ぎきれませんッ!』
「ッ! チィッ!」
「退けクリスッ!」
「あぁっ!?」

 アリスからの通信を聞いた瞬間、颯人は前に出て奏は痛む体に鞭打ってクリスを後ろに引っ張った。
 その直後、棺から放たれた砲撃が彼らの姿を包み込んだ。
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