暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第197話:凍てつく極地にて
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た。
予想以上の機動力。しかし飛行の為の装備も何もないのに空中に飛んだのはハッキリ言って悪手であった。
「もらったッ!」
〈クアトロマジック、ブラストストライク!〉
棺が空中に逃れると、それを待っていたかのようにキャスターに変身したガルドの4つの属性を含んだ砲撃が放たれる。強烈な砲撃は、しかしそれだけで棺を粉砕するには至らなかったがそれでも体勢を大きく崩す事は出来た。
空中で変な力が加わった事でしっちゃかめっちゃかな回転をする棺。響はその棺に飛びつくと、一本背負いの要領で氷の大地に向けて投げつけた。硬い氷が棺自体の重量と響に投げられた事によるエネルギーで砕ける。
そこに更に追い打ちでクリスがスカートアーマーから小型ミサイルを一斉に発射した。
「うりゃぁぁぁぁッ!」
[MEGA DETH PARTY]
無数のミサイルの着弾により、棺が爆発の炎と煙に包まれる。だが落下しつつあるクリスの前で黒煙を突き破る様にして棺が顔を出すと、ミサイルを発射した彼女に顔を向け砲撃の準備をし始めた。
「効かないのかよッ!?」
「クリスッ!」
自力での飛行が出来ない通常のギアでは、放たれる砲撃に対抗する手段がない。そんな彼女の危機を、ライドスクレイパーに跨った透が寸でのところで救った。耳に届いた彼の声にクリスはアームドギアを収納して手を伸ばし、伸ばされた手を透が掴んで彼女をその場から素早く移動させた。直後赤い砲撃が放たれ、素通りしていった砲撃は何もない大地に直撃し不気味な氷のオブジェを作り出した。
その後も装者や魔法使い達を相手に大暴れする棺。その様子を本部の発令所で弦十郎達も見ていた。
棺と言うにはあまりにも攻撃的なその様子に、慎次はあれが本当に棺なのかと疑問を抱かずにはいられなかった。
「接近する対象を苛烈に排撃……こんなものを、果たして棺と呼ぶべきでしょうか?」
「いえ、ある意味ではあれも立派に棺としての役割を果たしています」
「古代エジプトじゃ、王家の墓を荒す不届き者に対する呪いを掛けた、なんて話もあるくらいだしね〜。ましてや相手は神、神の遺体を守る為なら、あれくらいの防御機構はあっても不思議じゃないんじゃない?」
「攻撃ではなく防衛……不埒な盗掘者を寄せ付けない為の機能だとしたら、どうしようもなく棺と言うより他あるまい」
であるとするならば、あの棺に眠っているのは了子の言う通り本当に神の遺体であると言う事になる。そしてアダムは、それが何時か再び蘇ると確信し排除する為に神の力を求めた。
ならば、あれを回収する事は本当に正しい事なのかと不安を抱かずにはいられない。弦十郎は思わず壁際の輝彦の方に視線を向ける。見れば彼は彼で正面のモニターを険しい表情で睨んでいた。どうやら彼もまた、こ
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