【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第4節】陸士ら全員が談話室に集合。
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13歳の時、同じ地球人街のカワハラ家で、タカシの『同い年のハトコ』に当たる女の子が、親兄弟を事故で亡くして一人だけ満身創痍で生き残っちまった時のことなんだけど、首都の方からいきなりその人がやって来て、彼女を引き取って行ったことがあったそうだよ」
「それなら、その人は、間違いなく『スバルさんのお父さん』ですね。以前、その話は、メグミさん本人の口から直接にお聞きしたことがあります」
それほど深い絡みではありませんが、ツバサもカナタも、メグミやトーマとは一応の面識があります。
カナタ《うわあ。世間って、ホンットに狭いんだなあ……。》
ツバサ《マティカさんの件はともかくとして……こちらの件は、もしかすると、八神提督の「未必の故意」によるものなのかも知れませんね。》
カナタ《え? それって、どういう意味?》
ツバサ《必ずそうなるという確信は無いけれど、『そうなるかも知れない』とか、『そうなったら良いなあ』などと考えて、わざとそうすることを「未必の故意」と言います。
三人の陸曹を選ぶにしても、候補者はもっと何人もいたはずですから、『誰を選んでも大差は無い』という状況であれば、『取りあえず、身近な誰かと何かしら縁がありそうな土地の出身者を、優先して選抜しておく』というのも、それほど不思議な行動原理ではないでしょう。
エルセア地方は、ティアナさんの出身地。アラミィ地方は、ナカジマ家の故地。クルメア地方も、確か『フェイト母様の、実の母親か誰か』に縁のある土地だと聞いたことがあります。》
カナタ《なるほどネ。ジョーさんの友人のことまで調べがついていた訳じゃないけど、『もしかしたら、そうしたつながりも何かあるかも知れない』という可能性は想定していた、ってコトか。》
【本来、「未必の故意」は純然たる法律上の概念なのですが、ここでは、この用語をもう少し日常的な状況にまで拡大解釈して使わせていただきました。
なお、実際にクルメア地方に縁があったのは、プレシアではなく、リニスなのですが、ツバサはその件に関して、あまり詳しいところまでは聞いていなかったようです。】
ふと気が付くと、ノーラが嬉々として、今の話を手帳にメモしていました。視線が合うと、すかさずツバサにこう質問をして来ます。
「じゃあ〜、その『メグミ』っていうのが、引き取られた女の子の名前なの〜? スバルさんの、イトコメイに当たる女性なんだよね〜?」
「はい。女の子と言っても、実際には、ジョーさんと同い年の女性ですから、今ではもう普通に結婚して、幸せな家庭を築いている訳ですが……。彼女は局員ではありませんが、やはり、これ以上は『個人情報の漏洩』になってしまうので……この件
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