【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第4節】陸士ら全員が談話室に集合。
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から西側の八畳間の南西の角を斜めに見た形の映像でした。曇り空ではありますが、季節は夏のようで、襖や障子はあらかた取り外されています。
「はい。正にこういう感じの部屋です」
ツバサは、ほっとした口調でそう答えました。
それでも、ヴィクトーリアたち六人は、揃って『ええ……。何、これ? これでも、家なの?』と言わんばかりの表情をしていたので、ジョスカナルザードはごく簡潔に説明を加えました。
「高床式の木造建築でね。板張りの床の上に『草を編んで作った敷物』を隙間なく敷き詰めているんだよ。部屋の間仕切りも、浅い溝の上に引き戸を滑らせているだけだから、必要に応じて、それらをすべて取り払って、二つの部屋を『事実上の』一つの部屋として使うこともできる、という構造なのさ」
「え? でも、これ、冬はメッチャ寒いんじゃないっスか?」
フォデッサは元々が寒がりなので、この映像を見れば当然にそう感じます。ジョスカナルザードは、その疑問にも簡潔にこう答えました。
「もちろん、これは、ミッドで言えば南岸部アラミィ地方のような『冬でもそこまで寒くはならない気候の土地』で発達した、昔ながらの建築様式だよ。昔、まだ電気を使っていなかった時代には、冬の寒さに対処することよりも、夏の暑さに対処することの方が、重要な課題だったからね」
「え? それって、どうしてっスか?」
「電気が無くても、重ね着をしたり、火を焚いたりすれば、冬の寒さは凌げるけれど、エアコン無しでは、夏の蒸し暑さを凌ぐことは難しいだろう?」
「ああ、そうか。電化製品が何も無いと、そういうコトになるんスね」
ノーラ「あ〜。それで、こんな風通しの良さそうな構造なんですね〜」
ジョスカナルザード「うん。それで、夏場には、この『畳』という敷物の上にそのまま横たわって昼寝をしたりすることもあるんだよ。大方、先程の話も、『畳の上をゴロゴロと転がって隣の和室まで行ってしまった』ということなんだろう?」
ツバサ「はい。そのとおりです」
ゼルフィ「なるほど……。でも、やっぱり、それはそれで、スゴい寝相だわ。(笑)」
カナタ「それ、5歳の時の話ですから! 今はもう、そこまでヒドくありませんから!(力説)」
ツバサ「でも、あなたは今でも時々、ベッドから床に落ちますよね?」
《カナタ、ここで下手に抗弁すると、本当に部屋を替えられてしまいますよ。》
カナタ《いや。別に、ボクはそれでも構わないんだけど……。》
コニィ「なるほど。ベッドから床に落ちてしまうというのは、確かに、ちょっと対処が面倒そうですねえ」
コニィは少しだけ考えて、結局は
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