暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
 【第4節】陸士ら全員が談話室に集合。
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
話なので、この作品では「ローゼンの首都標準語」をラテン語で代用させていただきました。結果として、ローゼンの地名や人名も(のき)並みラテン語風になってしまいましたが、悪しからず御了承ください。】

 双子の驚きようを見て、リインは何やら得意げにこう(こた)えます。
「翻訳機ですからね。もちろん、話す方も聞き取る方もできますよ」
「慣れれば、念話から発声までのタイムラグもほとんど無くなるはずやからな。現地に着くまでの間に、各自、よぉ練習しといてや」
 八神准将は、さもそれが「簡単な作業」であるかのように言ってのけました。

 すると、一拍おいて、今度はエドガーがそっと席を立ちながら右手を()げ、発言の許可を求めました。
「ところで、提督。ひとつ、よろしいでしょうか?」
「ええよ。何かあったかな?」
「私たちは、このまま親睦を深めるためにも、夕食はこちらで揃って取りたいのですが、そういうことは可能でしょうか?」
「なるほど。確かに、親睦を深めるには、その方が良さそうやな」
「いっそのこと、皆さんにはこれから、三食とも必ずこちらで取るようにしてもらいましょうか?」
 リインの提案に、周囲からは思わず歓迎の声が上がります。

「それでは、念のためにお訊きしますが、『三食ともこちらでは、ちょっと困る』とか、『自分は個室で静かに食べたい』とかいう人はいますか?」
 リインは軽く右手を()げて、そう感じている者は素直に手を挙げるよう(うなが)しましたが、それでも、手を挙げるような非社交的な者は一人もいません。
「では、そういうことにしましょう。機械人形(アンドロイド)たちには、私の方からそのように命じておきます」
「私ら六人は、まだしばらくいろいろあるから……少なくとも今日(きょう)明日(あす)のところは、個室の方で食事を取らせてもらうわ。……ザフィーラは、こちらで皆々と親睦を深めておいてな」
 はやての言葉に、ザフィーラは席に着いたまま深々とうなずきました。何かしら念話のやり取りもあったようですが、八神家以外の者たちは誰もそれに気づいていません。

 そこで、リインはふと思い出し、とても不思議そうな口調で皆々にこう問いました。
「あ。それから、昼食は誰も『おかわり』をしなかったみたいですけど、皆さん、本当にあの量で足りましたか?」
「え〜? しても良かったんですか〜?」
「そりゃ、そうやろ。普通」
 ノーラの今にも泣き出しそうな声とは対照的に、はやては思わず、半ば呆れたような声を上げてしまいました。
 はやてはもう次元航行部隊での勤務が長いので、『そんな当たり前のコトは、わざわざ言うまでもないだろう』と思っていたのですが、ノーラたち一般の陸士にとっては、そもそも「次元航行艦の中で生活をすること」それ自体が初
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ