暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
 【第4節】陸士ら全員が談話室に集合。
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な痛みを感じたら、それで装着は完了です」
 そう言って、リインは手際よく、手荷物の中から「七つ入りの小箱」を三つ取り出し、それぞれのテーブルに小箱を一つずつ置いて行きました。
 翻訳機そのものは、大きさは十数ミリ四方で厚さも2〜3ミリ程度の、まるで「小さな絆創膏(ばんそうこう)」のような外見をしたコンパクトな装置です。
「ほら、こんな感じやで」
 はやては皆々に背を向けて、右手で後ろ髪を右へ寄せながら、自分の左の耳朶(みみたぶ)の後ろに貼りつけた自動翻訳機を左手で指さして見せました。
「なお、安全に取り(はず)すには、特別の装置が必要となりますので、最初から正確に、髪を巻き込まないように装着してください。自分で上手(うま)くできそうにない人は、(ほか)の人に貼り付けてもらっても良いですよ」

 ザフィーラやヴィクトーリアたち三人にとっては、もう手慣れた作業でしたが、他の17名の陸士たちにとっては全く初めての体験です。その17名は全員が、その翻訳機をひとつずつ手に取って、はやての後ろ姿を見ながら、相方(あいかた)や隣にいる同僚の「所定の場所」にそれを慎重に貼り付けていきました。
 ノーラはゼルフィから、フォデッサはマチュレアから貼り付けてもらう形となります。
「あ〜。ちょっとチクッと来た〜」
「え? これでもう、アタシら、現地の言葉とか話せるんスか?!」
「そうです。喉や舌から完全に力を抜いた状態で、『翻訳を意識しつつ、念話の要領で思考内容を明瞭に言語化』すれば、慣れるまでは多少のタイムラグが発生しますが、翻訳機が喉や舌の筋肉を勝手に操って、自動的に現地の首都標準語が発声されます」

【プロローグの「背景設定1」にも書きましたが……我ながら、かなりトンデモない設定ですね。(苦笑)】

「試しに、カナタ。ちょっと何か話してみてや。念話は全員に聞こえるようにして」
(ええ……。)
 八神准将からの突然のムチャ振りに、カナタはやや途惑(とまど)いながらも、喉や舌から余分な力を抜いた上で、肉声と念話で次のように話しました。
「じゃあ……そうですね……」
《こんにちは。ボクの名前は、カナタです。》
 すると、一拍おいて、カナタの口から「カナタの知らない言葉」が飛び出しました。
「Salvete, nomen mihi KANATA.」
 これには、カナタ自身も思わず愕然となります。
「うわあ、ホントだ! 確かに、ボクの声なのに、ボクの知らない言語だ!」
「知らない言語のはずなのに、事前に念話を聞くまでもなく、耳に聞こえただけで、脳内で意味が解りますね!」
 ツバサも、さすがに驚きの声を上げました。

【いくら私が設定厨でも、『一個の言語を、具体的な語彙(ごい)まで含めて丸ごと造り上げる』というのは、さすがに無理な
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