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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
 【第4節】陸士ら全員が談話室に集合。
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きのために、少しだけ上陸しますので、その間、最大で5(ハウル)ほど、本艦は惑星ベルカの〈中央大陸〉の上空に停泊します」
 リインは手荷物を持ったままで、そう事務連絡をしました。
「その間、ただ待っとるだけというのも、みんな、つまらんやろうからなあ。私の方からヴィクターたちに、ひとつお願いがあるんやけど」
 名前を呼ばれたヴィクトーリアは、静かに立ち上がって応えます。
「はい。何でしょうか?」
「君らは古代ベルカの文化についても詳しいやろ? 明日は、広間(ホール)のスクリーンに惑星ベルカのリアルタイム映像が出るようにしておくから、みんなで私の帰艦を待っとる間に、他のみんなにざっとベルカ文化の説明とか、しとってくれへんかなあ?」

 しかし、ヴィクトーリアはそれを聞くと、やや言いにくそうな口調で、はやてにこう返しました。
「誠に申し訳ありませんが、提督。明日、その役はエドガーに任せるとして、私とコニィには上陸許可をいただけませんか? 良い新茶が手に入ったので、お茶好きの伯父にも早く持って行ってあげたいのです」
「その伯父さんと言うのは……フランツ・バールシュタイン博士のことかな?」
「はい。今は第五地区にいると聞いています」
「何やら大きな仕事が一つ終わったところだとお聞きしましたので、お嬢様も『できれば直接に、(ねぎら)いの言葉を』と考えておられるのです。もし無理であれば、新世界からの帰途(かえり)にでも、少しだけ立ち寄らせていただきたいのですが」
 コニィも静かに席を立ち、そう言葉を添えました。

「ん〜。私も、フランツ博士には以前、『あの件』で随分とお世話になったことやしなあ……」
 はやては、「あの件」というのが具体的にはどういう件だったのかについては全く触れぬまま、たっぷり3秒ほど悩んでから、こう言葉を続けます。
「まあ、第五地区なら大した回り道にもならへんし、ええやろ。……ところで、ヴィクター。その用件は4(ハウル)もあれば済むかな?」
「はい。挨拶して茶葉を渡すだけですから、時間はその半分もあれば充分です」
「ほな、ベルカでは『最初に君ら二人を降ろした後、私がなるべく早く用事を済ませてから、最後にまた二人を回収する』という流れでええかな?」
「はい。御配慮いただき、感謝します」
 こうして、明日の「解説」も、やはりエドガーの役となりました。

 そこで、リインは次の話題に移りました。話の内容としては、こちらがむしろ「本題」となります。
「それでは、新世界ローゼンに上陸するための準備として、今から皆さんに『全自動翻訳機の上位機種』を配布します。一人ひとつずつ受け取って、左の耳朶(みみたぶ)の後ろの、髪の()(ぎわ)(あた)りに()りつけていってください。軽く押さえ込んで、チクリと小さ
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