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ポケットモンスター対RPG
第1話:失望と決別
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ミューティヒの目に決意が宿る。その表情はまるで信義のいくさ人であった。
「だからこそ……僕はまだ死にたくないからこそ、ポケモンの事を何も解っていない人達が理不尽にポケモンを殺すのを観ていられないんだ!」
そんなグートミューティヒの固い決意と信義に圧倒される研究者達。
「僕は知ってる。人間とポケモンは仲良くなれる事を。けど、モンスターを恐れ敵視する人達はそれを知らない。それは気の毒だ!だからこそ、ポケモンが魔王の手先となった悪いモンスターを倒して人々を護れは、いずれは解ってくれると思うんです」

と、偉そうな事を言って旅立ったまでは良かったが、その結果がレベルアップの為なら蹂躙や逃亡者への追い討ちすら厭わない勇者一行の殺戮行為の目撃だった……
(駄目だな……あんなのと一緒に旅をしたら、僕まで悪者扱いされちゃうし、それに、あいつらは多分平気でポケモンを殺せるぞ?)
かと言って、今更研究者達の許に帰る訳にもいかない。
(八方塞がりになっちゃったなぁ……どうしよう?)

今後の予定が全てご破算となって困惑するグートミューティヒの近くで不満そうにブツブツ言う男性がいた。
「あれ?どうかしました?」
が、グートミューティヒを年端も行かぬ少女と勘違いした男性は、乱暴な言い方で追い払おうとした。
「お前じゃ無理だよ。家に帰ってママに甘えてな」
マドノの事で少しイライラしていたグートミューティヒは、売り言葉に買い言葉と言わんばかりに男性を挑発する。
「そう言うアンタだって無理って事でしょ?歳って、ただ無駄に増やすだけじゃ何の意味も無いんだね?」
馬鹿にされた男性が激怒した勢いでつい悩みの理由を言ってしまう。
「ふざけるなよ!こっちはホワイトクロウが大量発生して困っているって時に!」
グートミューティヒにとってはそれだけで十分だった。
「つまり、そのホワイトクロウを倒せば良いですよね?」
「はぁー!?簡単に言ってんじゃねぇよ!それが出来れは苦労はしねぇよ!」
「言ったな?もう取り消せないぞ?で、場所は?」

結局、グートミューティヒの挑発に屈してホワイトクロウが大量発生している地域に案内する羽目になった男性。
「ここだよ」
その途端、嘴を赤く染めて所々赤いブチ模様が付いた白鳩達が一斉にグートミューティヒ達を睨んだ。
「これは……確かにホワイトクロウの大安売りだね?」
血肉を喰らい、血肉の味を覚えてしまった白鳩『ホワイトクロウ』。
普段は枝の上に停まって獲物の様子を窺い、隙を視て獲物に飛び掛かる狡猾な鳥系モンスター。1匹1匹は大した力は無いが群れで生活する事が多く、数に物を言わせる戦法は油断すれば熟練者ですら死ねる程である。
「そんなに美味そうかい?僕のこの……転送魔法と治療魔法で作った乳房が」
それを聞いた男性が少し驚
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