第1話:失望と決別
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の巨乳の秘訣を訊き出したかったが、その時間は無さそうと悟った途端に興味を失った。
「どうせ、私は攻撃魔法担当だしね……行きましょ」
フノクだけは不満げな表情を浮かべながらグートミューティヒを睨む。
「許さんぞ……グートミューティヒとその顔、憶えたぞ」
グートミューティヒは、フノクの殺意に満ちた睨みに少し怯え引いた。
(怖いな……あの人達……)
そして、グートミューティヒは困った事になった。
(これで……星空の勇者の仲間になる事は無くなったな!)
とは言え、落ち込んでもいられないし停まってもいられない。
(ま、あんな手加減知らずの人でなし達に魔王退治を任せたら、モンスターどころかポケモンまで絶滅するわな!)
星空の勇者マドノ率いる勇者一行の残酷な本性を知ってしまったグートミューティヒは少しだけ困った。それは、家出してまでこの旅を行った理由に起因する。
元々は人類の安全な暮らしの為にモンスターの研究と観測を行っている学者達の息子だった。
グートミューティヒの育ての親達は、モンスターを観測している内に大きく分けて3つの分類出来ると結論付けた。
狂暴で残酷な『モンスター』。
他のモンスターよりは可愛くて大人しい『ポケモン』。
魔導士が使役する使い魔『召喚獣』。
だが、この論文はモンスターを敵視する世論が否定し拒否し、モンスターを分類する気がまったく無い世論はポケモンや召喚獣をも凶悪害獣として認識してしまう。無論、世論ですらこれなのだから、兵士や冒険者もモンスターだけでなくポケモンすら平気で攻撃する。
この様な状況に対して世論に拒絶された正論しか言えない研究者達は為す術が無く、目の前のポケモンを秘密裏に保護するのが関の山だった……
それを見かねたグートミューティヒは、星空の勇者マドノが遂に魔王退治に出発した事を知り、居ても立っても居られずに育ての親達が開発したポケモン捕縛・携帯用武器『モンスターボール』を持ってマドノ達を探す旅へと出かけて行った。
「行くのか?」
「はい。このまま僕達が動かなければ、ほんの一握りのポケモンしか保護できずにいずれはポケモンは絶滅してしまいます」
研究者達は「自分達の論文が常識を覆すまで待て」と言いたかったが、その結果が世論から狂った非国民扱いされる日々であり、自分達の論文がポケモン保護に全く役に立っていない事は既に明らかであった。
でも、
「戦うと言う事は、何時何処で理不尽な死を迎えるか解らない事を意味するのだぞ」
「実戦はお前が思っている程甘くない。失敗したら痛がりながら死ぬ事になるぞ」
研究者達の言い分に少しだけ引いてしまったグートミューティヒだったが、それでも……彼の決意は固かった。
「確かに僕だって死ぬのは怖いです。でも、ポケモンだって死ぬのは怖い筈です!」
グート
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