【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第3節】八神家、秘密の内部事情。
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一方、こちらは、シグナムとアギト、ヴィータとミカゲの四人部屋です。
昼食後、機械人形が食事用のワゴンを下げに来た際に、ヴィータはそれに命じて、代わりに「余分な椅子」を二つ持って来させました。
そして、四人はドアをロックしたまま、しばらくは今までどおり何もせずに、ただベッドの上でゴロゴロとしていたのですが、じきにアギトが音を上げてしまいます。
「ああっ、もう! アタシたち、一体いつまでこの部屋に閉じこもってなきゃいけねえんだよ?」
「最初に言っただろう。新世界に到着するまでの間、我々がなすべきことなど何ひとつとして無い」
同じベッドの下の段で、シグナムは冷静にそう返しました。
実のところ、ザフィーラが談話室で語った『自分以外の八神家のメンバーには、現地に到着してからのことなど、いろいろと事前に話し合っておくべき事柄があるから、こちらには来られないのだ』という説明は、真っ赤な嘘でした。実際には、新世界での行動計画など、〈本局〉を出航した時点ですでに「すべて」出来上がっています。
「いや。それは解ってんだよ。別に、忘れた訳じゃねえよ!」
要するに、アギトは『もう暇すぎて耐えられない』と言っているのでした。
すると、ヴィータが笑って身を起こしました。
(くどいようですが、彼女はもう十年以上も前から、ずっと「大人の姿」でいます。)
「仕方ねえな。早速だが、アレを出すか」
「待ってたデス!」
ミカゲも二段ベッドの上の段から、身軽に飛び降りて来ます。
そして、二人は「個人的な手荷物」として持ち込んでいた「90センチ四方ほどの大きさの、随分と厚みのある箱」を開封し始めました。
そこで、シグナムもようやく体を起こします。
「一体何が出て来るんだ?」
「暇つぶしの最終手段だよ」
ヴィータは笑って、ミカゲとともに「キャスター付きの台座」と「丈夫な支柱」と「バッテリー内蔵型の大きな本体」とを手早く組み立てて行きました。
そして、組み立てが終わると、ミカゲはまるで『それを自分の「ポケット」の中から取り出した』かのような口調でこう言いました。
「ぜんじど〜マージャンたく〜」
ヴィータが事前に機械人形に「余分な椅子」を二つ持って来させておいたのも、決して来客用とかではなく、麻雀をするためだったのです。
「しかし……お前は、一体どこでそういう口調を憶えて来るんだ?」
シグナムは思わず、呆れたような苦笑まじりの声を上げました。シグナムたちは、はやてがまだ小学生だった頃に日本でその国民的なアニメを観たことがありましたが、あの頃、ミカゲはまだそこにいなかったはずなのです。
「マイスターの許可を得て、ミカゲはこの数年、自宅で暇な時には地下の『地球ライ
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