暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
 【第3節】八神家、秘密の内部事情。
[10/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
前とのシンクロ率がさらに向上した、というだけのことだ」
 そう言って左手を伸ばし、軽く頭をなででやると、ミカゲは本当に嬉しそうな表情を浮かべます。
「でも、姉御(あねご)は、他にもいろいろと器用になったんじゃなかったっけ?」
「幾つか基本的なパラメーターが上がっただけだよ。ああいうのは、『新たな能力』とは言わねえ。……おっと、アギト。それはポンだ」
 ヴィータは場で1枚目の(ナン)を早々と()って、手を進めました。南家(ナンチャ)なので、これだけでダブ(ナン)になります。

 ヴィータ「最後に、ザフィーラは言うまでも無く、『例の特殊能力』だ」
 アギト「近くにいる人間同士の『念話』を、すべて傍受できるんだっけ?」
 ミカゲ「でも、それって、よく考えたら、モノ凄い『チート』デスよね?」
 シグナム「だから……くどいようだが……ザフィーラの能力については、本当に、誰にも、絶対に言うなよ。事前に警戒されてしまったら、もう使いようの無い能力だし……それに何より、もしも〈上層部〉に知られてしまったら、必ずロクでもない事態(こと)になるからな」
 ミカゲ「大丈夫デスよ! ミカゲはもう『お口にチャックをする』スキルを身につけているのデス。(ドヤァ)」
 ヴィータ「それは、スキルとは呼ばねえよ!(笑)」

 実のところ、この四人がひたすら部屋に閉じこもっているのも、ひとつには、(あくまでも、「ひとつには」ですが)ミカゲの口から迂闊(うかつ)にも「八神家の秘密」が漏洩(ろうえい)してしまう可能性を危惧(きぐ)してのことだったのですが……皆でひとしきり笑い声を上げてから、ヴィータは真顔に戻ってこう続けました。
「それで、ザフィーラには、独りで向こうへ行ってもらってるって訳さ。……まあ、実際には、今回のメンバーの中には、内緒で『わるだくみ』をする(ヤツ)なんて一人もいないんだろうけどな」
「それでも、一応は『念のために』ってことデスか?」
「はやても本気(マジ)で『何かあるんじゃないか』と警戒してる訳じゃねえよ。ただ、内緒の話も聞いといた方が、各人の個性とかをよりよく把握できるからな。むしろ、今回はそっちが主な目的だろう」
 もちろん、カナタもツバサもヴィクトーリアたちも、他の陸曹や陸士たちも『自分たちの念話が、ザフィーラにはすべて丸聞こえである』などとは、夢にも思ってはいなかったのでした。
【念話とは本来、電話のように最初から相手を指定してつなぐ性質のモノなので、ザフィーラのこの能力は『本当に()に全く類例の無い』特殊な能力なのです。】

 そして、結局のところ、南4局はアギトがヴィータに振り込みました。

 ヴィータ「ロン。ダブ(ナン)のみ、2000点だ」
 アギト「(トン)単騎(タンキ)とか、読めねえよ!」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ