【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第3節】八神家、秘密の内部事情。
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前まで、取った駒は使えねえってルールだったんだが、それだと、九九81マスの盤では、イマイチ盛り上がらねえゲームだったらしい。だから、その当時は、レッサンブロと同じ12 × 12の大きな盤を使って、駒の数も種類ももっと増やした将棋の方が、よく遊ばれていたとかいう話だ」
ヴィータが言っているのは、いわゆる「中将棋」のことですが、そうした説明を受けても、アギトはまだちょっと納得できていない様子です。
(いや……。その建前は、やっぱり、かなぐり捨てちゃダメなんじゃないのかなあ?)
一方、ミカゲは自分用の椅子をアギトと対面する位置に運びながら、ふと思ったことをそのまま口にしました。
「具体的には、レッサンブロって、どんなルールのゲームだったんデスか?」
「あたしも細かいルールまでは、もう憶えちゃいねえよ」
「どこかに、憶えてる人って、いないんデスかね?」
この質問には、シグナムがヴィータに代わってこう答えます。
「ベルカでも、第二戦乱期の末頃には、すっかり廃れてしまったらしいからな。それで、ミッドや他の世界にはろくに伝わらなかったのだろうが……確か、ブラウロニアが『両親が生きていた頃には、よく指していた』ようなことを言っていたな」
「コリンティアか。あそこも、古いベルカの文化がいろいろと生き残っている世界だが……さて、今回の新世界は、その辺り、どうなんだろうな?」
ヴィータは一組目の牌を全自動卓の中に投入しつつ、ふとそんな感想を漏らしました。
【なお、レッサンブロの具体的なルールに関しては、もしリクエストがあれば、その時に御紹介します。……多分、そんなリクエストは来ないだろうけど。(苦笑)】
「そう言えば、ミッドって、麻雀のようなゲームも無いし、レッサンブロのようなゲームも無いし、意外と『小さな娯楽』の少ない世界デスよね?」
「まあ、地球が……と言うか、日本が……格別に娯楽の多い社会だからなあ。あそこと比べたら、大概の世界はそうなんじゃねえのか? 日本とマトモに張り合える土地なんざ、主要な管理世界の中ではカロエスマールぐらいのモンだろう」
「でも、姉御。アタシもそれほど多くの世界を巡った訳じゃないけどさ。ミッドには、やっぱ、そういうの少ないって。室内遊戯なんて、ほとんどカードゲームの類ばっかりじゃん」
「どうしてなんデスかね?」
「そもそも、ミッドで娯楽と言ったら、普通はアウトドアだからなあ」
ヴィータがそう言いながら、シグナムに視線を向けると、それを受けて、シグナムはこう答えました。
「確かに、それもあるだろうが……どの世界でも古来、盤上遊戯には賭博が付き物だった。しかし、聖王家直轄領時代のミッドでは、総督家が繰り返し『賭博禁止
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