【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第3節】八神家、秘密の内部事情。
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ブラリー』にあるアニメや特撮や時代劇を観まくっているのデスよ」
ミカゲは何やら妙に得意げな表情でそう返しました。すると、ヴィータは面白がって、そんなミカゲにこう問いかけます。
「時代劇は、何が気に入った? 桜吹雪の方か? それとも?」
「終盤の導入部で、小舟が一丁櫓なのに、もの凄い速さで進んで行くやつデス」
「いきなり、破れてる方の奉行かよ!(笑)」
(……ええ。何だよ? それ……。)
アギトは、はやての個人的な『地球ライブラリー』をほとんど観ていないので、地球の時代劇と言われても、正直なところ、桜吹雪の話と印籠の話ぐらいしか解りませんでした。
(アギトには、リインや守護騎士たちのように地球で何年も暮らした経験が無いので、なおさら地球の話はよく解らないのです。)
それはともかく、アギトは床に降りると、ヴィータから手渡された自分用の椅子を指示どおりに部屋の一番奥まで運び込みながら、ごく軽い口調でこんな不平を述べました。
「でも、確かに、暇つぶしにはなるけどさ。麻雀って、まるっきり運ゲーだよね?」
「どうせ、ただの暇つぶしなんだから、運ゲーで良いんだよ。レッサンブロのような、実力だけで勝敗が決まっちまうようなゲームだと、ムキになるヤツが約一名いるからな」
ヴィータは笑って、シグナムに冷やかすような視線を向けます。
「誰がいつムキになったって?」
シグナムがいささか不機嫌そうな声を上げると、ヴィータはすかさず、笑ってこう返しました。
「昔のベルカで、誰かさんは旅の吟遊詩人に負けた後に、『もう一局!』とか言って粘ってただろう」
「そんな大昔の話はやめろ。主はやてと出逢う以前のことなど、もう忘れたわ」
シグナムは苦笑しながらも、やや忌々しげな口調でそう吐き捨てます。
そして、ヴィータとミカゲが全自動麻雀卓を二台のベッドの真ん中に置いてキャスターを固定すると、その奥に押し込められた形のアギトは、ふとヴィータに尋ねました。
「ところで、姉御。レッサンブロって、昔のベルカにあった、地球の将棋みたいなゲームのことだよね?」
「ああ。将棋と違って、取った駒は使えねえから、どちらかと言えば、チェスの方に似てるんだけどな」
「アタシは地球の将棋って、マイスターが昔の家で名人戦か何かの録画を観てたのを、脇で眺めてたことぐらいしか無いんだけどさ。冷静に考えて、『取った駒を使える』のって、やっぱ、異常しいんじゃない? アレ、『捕虜がすぐに寝返る』って意味だよね?」
「ああ。はやてが言うには、アレは『戦闘シミュレーションという建前をかなぐり捨てて、単純にゲームとしての面白さを追求した結果』なんだそうだ。
実際、将棋も何百年か
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