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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-漆-
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ならせめて、怒りながらその命を終えよう。後悔はある。やり直しも何度も考えた。過去に戻れたのなら自分もマスターになって好き勝手していたかった。
「畜生...がっ!」
牛若丸の刀が首を斬る。それで自分は終わる。いくら再生能力があるとはいっても生命活動を終えられるような急所をつかれれば再生なんて出来ずに死ぬ。だからこれで、自分は終わり。
そのはずだった。いやそうなるべきだった。しかし奇跡というものは何故が何処かしらに転がっているもので運良くそれを掴むと生き延びられるようになる。
「アルギズ!」
流れるように飛び交う閃光。それが視界に映った時自分は流れ星が見えたように感じた。それは願いを叶えるという点では流れ星と変わらないのかもしれない。
ルーン魔術。一工程で使用することが出来る北欧神話などで扱われた魔術。神話でのルーンは原初のルーンと言われるものだが、今放たれたものはサーヴァントが使うものでは無い。つまり、魔術師が放ったルーン魔術=B
後ほど放った本人に聞いたことだがアルギズは硬化の意味を持つ防御のルーン。つまりこの攻撃は相手の意表をついた奇襲の意味ではなく、こちらを守るために放った魔術ということになる。
牛若丸が刀を放り投げるように軌道を変えて流れ星のように光ったアルギズを迎撃する。放たれたものは3発だったはずなのにいつの間にか10を超える数になっていた光の玉は全て牛若丸に切り捨てられた。
「ソーン!」
再び放たれるルーン魔術。先程より多い幾つもの光の玉が自由な軌道で牛若丸に当たる。しかし牛若丸もサーヴァント。その程度の魔術を対魔力で無効化する。しかしその勢いだけは殺しきれず、10メートルほど後方まで跳んで着地する。
ソーンは衝撃を与えるルーン魔術だ。巨人や足止めという意味もあるらしい。
防御と足止め。奇襲のチャンスは潰れたが牛若丸を驚かせるにはそれで十分だった。無理に突っ込むことはなくその場で刀を構える。
その瞬間だった。牛若丸の背後にいた何者かが牛若丸の身体を一瞬で二つの肉塊に変えた。特に鋭くも見えないただの長剣でサーヴァントの体を切り裂く。それは単純なことではない。しかし自分はたった一瞬で倒れた牛若丸の姿より牛若丸を倒した男、サーヴァントに注目していた。長い銀髪を持った長身の男。
「そのまま避難民の守護を頼む。ベディヴィエール」
「はっ。マスター」
背後からそう声がかかる。するとベディヴィエールと呼ばれたサーヴァントは軽く礼をして多くの牛若丸が出てきた場に一人で突っ込んでいった。迷いなく、長剣を持ちながら勇敢に走る。
その背中を見ながらその時やっと自分の後ろに誰かがいると気付いた。
「ああ、彼のことは気にしなくても構わないよ。もう時期周辺を固め
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