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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-漆-
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あああああっ!」
しかし少年は斬られた足から黒紫色の禍々しい腕のようなものを生やして立ち上がる。腹からも生えてきたそれはサーヴァントに触れるがその瞬間にその腕が斬られ、反撃と言わんばかりに投げられた瓦礫が突き刺さる。
「触れるな!下郎が!」
サーヴァントは少年を下郎と言い捨てて、苦しむ少年に追撃をする。
一撃。少年の右腕が飛び、少年が後ろに飛び退く。その間に斬られた腹が修復されて、傷跡が消えている。両脚は先程までの腕のような形から変わり、鳥の脚をそのまま太くしたような形状に変化する。
切り捨てられた右腕のあった場所からはまた禍々しい色をした幾つのも扇が重なったような歪な腕のようなものが出てきている。大きさは少年の体長を大きく超えている。
その様子を見てサーヴァントの方の頬が上がる。親を殺された怒りからだろうか。いくらなんでも再生が早すぎる。それに形状がここまで人間離れしていると言うことはなんの化け物にされたのかは分からないがそちらに身体が定着してきている。
「潰れ、ろっ!」
少年がそう声をあげた瞬間、サーヴァントのいた場所にそれが振り下ろされていた。鳥のような脚で跳躍して大きな腕を勢いよく叩きつけたのだ。衝撃だけで何体か化け物が壁に叩きつけられる。しかし少年は歯を食いしばりながら横に薙ぎ払う。
と、勢いよくなぎ払われたはずの腕が空中でピタリと止まった。まるで動画を止めたかのようにピタリと動かなくなった腕の先端には刀を構えたサーヴァントが少年の腕を受けきっていた。
「この程度か」
「そっち、が、な」
しかし少年はそれを理解していたとでも言うように右脚を前に突き出す。その瞬間、引っ張られたかのように右足が伸びてサーヴァントを迎撃する。
爆弾が爆発するような音と共に脚が地面にあたり、巨大な土埃が出ると共に地面に小さなクレーターができる。対象のサーヴァントは弾き出されたものの、傷一つなく近くの足場に立つ。しかしその顔からは、先程までの余裕が消えていた。
少年が両足と右腕を普通の人間のような上体に戻してサーヴァントの10mほど前方に着地する。
先程までの予想とは違い、まさかの互角。自分たちが束になっても相手にならなかったサーヴァントに一人で立ち向かうその少年はまさに英雄に見えた。
「主殿が奴隷として扱うだけはありますね。主殿もさぞ喜ばれているでしょう」
「うる、さい。みんなを、返せ」
まるで煽るように少年に語り掛けるサーヴァント。それは少年の力量をある程度は認めたとの同時に、それを道具として使えるという評価に少年を嵌めていた証明となった。その言葉に頷くように男がニヤリと笑いながらその戦いを眺めている。
少年はと言うと傷を拭き取りながら怒りを顕にしている。それと共
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