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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-陸-
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「あは、あははは!!面白い!安心しろ!お前をそうしたのは俺だ。怯えるのではなく忠誠を誓え!」
男の言葉は自分を嘲笑うものだった。だがその意味を理解するには少し時間が必要だった。何せ展開が急すぎてついていけなかった。予想外のことが続きすぎて遂に痛みを伴う夢というものが出てきたのかとする思えた。
「は?」
「化け物として使ってやる。喜べ屑犬」
まるで自分のことをモノ扱いするように言ってきた。いやまるで、じゃない。本当にその後自分はモノ扱いされるのだが。兎に角その時はその男の事が理解出来ずにポカンとしていた。
「いや待て、何を一体...何を言って」
状況に追い付けず何があったのかを考える。恐怖もあったがこの男が何かを知っているかもしれないと希望を少し持っていたと言っても過言ではない。しかしこれが夢だったらどれほど良かったことなのか。
立ち上がってその男に説明を求めようとしたその時だった。
「うへぇ、気持ち悪ぃ!牛若丸!」
「はいっ!主殿!」
男が気持ち悪がるようにあっち行けというように手を振りながら牛若丸、と誰かを呼んだ。
牛若丸。日本では知らない人はいないとすら言わせる源義経の幼名。弁慶との話は子供から老人まで、誰でも知っている。そんな名前を叫んだ。
理由が分からない、と思ったその時だった。
世界が回った。同時に感じる全身の痛み。体の節々の感覚が抜けて体のバランスが保てなくなる。
脚と腹を切られたと気付く頃には顔が地面に伏した事で世界が暗くなっていた。
その時にやっと理解を拒んでいたはずの脳が理解した。自分はこいつに捕まってこれからなんらかの手段で化け物にされて道具にされていると。
「えっ...い、ったァ!何、をっ...!?」
「うるせぇ!つべこべ言わせんじゃねぇ!テメェらずっと俺たちのことを見下しやがって!オメェらは奴隷!奴隷なんだよクズが!さっさと外の化け物と化け物同士仲良く殺し合いしていろ!」
それでも自分が生きていることに腹が立ったのか先程までの余裕が消え、口調が荒くなっている。オマケに蹴りまで入れられて身体が起こされる。
化け物になったおかげか身体中を切られても生きている。その事実が嫌という程今の自分を理解させられる。あの後数えてわかったことだが、手足が切られても切られた場所にもよるが十分程度で修復が完了した。
そう。自分は化け物で奴隷。
そんな生活をしばらく続けることになった。自分の仕事は主に、化け物の相手。本来化け物の相手を務めるサーヴァントは自分を奴隷扱いする男と盛んに何かをやっている。またなにかの人体実験か、もしくはサカってるだけか。どちらにしろサーヴァントが前線に出られない以上化け物の相手は化け物がするしかない。たった一日で
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