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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-肆-
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ていなかった。
封じられた理由は何となくわかる。しかしどうやって封じたかは全く分からない。本人ならともかく、他人にそれを封じることは簡単ではない。気付かれずに、となれば相当難易度が高い。
逃げる相手にわざわざこんなことをする理由はない。これは、罠だ。これに怒ったこちらが攻め込みに行くための口実を作るためのもの。そして、こちらを不利にさせるためのもの。カルト集団は勿論、マスター達すらここまでしっかりとした地盤で来ることはほとんどない。
やはり相手はただのカルト集団では無い。サーヴァントを殺せるだけの実力を持った何かだ。
出来るだけ表情を変えずに紫式部の手のひらにピアスを置いて紫式部が葵にビアスをつけている間に、後ろで突っ立っているアタランテに声をかける。
「アタランテ」
「どうした?」
アタランテはこの状況に気付いているのか、それは分からないが恐らく自分の反応からただならぬ気配は察してくれているだろう。何しろ彼女は狩人だ。自分や葵、紫式部より鼻が利く。
ならば出す指示は短くていい。相手に監視されている可能性もあるからだ。ここまでしっかりとした地盤を敷いているのなら監視カメラを隠すことも可能。対象を監視する魔術もあるとエインヘリアルでは言っていたので、それの可能性もある。だからこそ、短く的確に。
「毛皮を出しておけ」
「...分かった」
アタランテもこちらの狙いに気付いた。少しだけ驚くような表情をした後、少し考え込んで頷く。これで情報は十分だ。紫式部の言うように不安材料は多い。攻める側として、罠や相手の作戦を考えながら進まなくてはならない。相手はそれを読んで増援の対策をしている可能性もある。難易度は高いかもしれないが戦力としては今が1番だろう。それを確認して廃工場の方へ黙って歩き出した。
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