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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-肆-
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数は少ないものの、強力な傭兵を揃えている。中には状況が合えばサーヴァントにすら勝てる人間もいる程だ。だから基本的にマスターやサーヴァントが暴走した場合エインヘリアルに依頼が来る。そして自分たちが暴走しているマスターとサーヴァントを殺す。エインヘリアルお抱えの傭兵としての自分たちの仕事は基本的にそれだ。なので暴走したマスター達は多く見てきたのだが彼女はそれがない。いや、言い換えるなら暴走を終えている。現実を見ている。
 誰かに力の限り征服された訳では無い。心に傷を負って現実を見たのだ。稀な例だが無い訳では無い。

「傭兵の人達について行ったことはあるけど。戦ってるから後ろで見てろとか、マトモに作戦を考えずにバカ正直に突っ込むとか。そんなのばかりで」

 傭兵達について行ったというのは恐らく現実を見た後の事だろう。どちらにしろそんな手をとるのは余程相手に詳しいか、自分に自信があるか。暴走しているマスターの可能性も高い。何せ傭兵なんて自分の戦力に自信が無いと取れない仕事だ。暴走とは言っても理性がなかったりする訳ではなく、自分の倫理観が壊れて法律やルールを無視した搾取や殺戮、征服等を起こす状態のことなので周りから見れば特別変に見られない場合もある。そのようなマスターとの絡みがあるのも不思議なことではない。彼女が覚悟を終えているのだから、それはそれでいいことなのだろう。
 何があったのか、なんてことは知らない。彼女自体が傷を負っているようには見えず、さっきまでの内容からして落ち着きがあるので勝手に予想をするなら近親者、もしくは友人関係の話だろうが、そこまで踏み込むほど自分は彼女と親しくなれていない。

「...あー、すまない。残念ながら今回はパワープレイではなんともならないっすから...何せ相手の戦力が分からない≠チすし、無駄な手とか危険は避けるべきっすよ」

 何より今回は一般人を抱えていくのだ、なんて不毛なことは言わない。良いことか悪いことか言いきれないが覚悟を終えた少女が手伝うと言ったのだ。やると言った以上やることはやる。彼女が覚悟を見せているのだからこちらも誠意で返すべきだ。
 今回の相手の戦力はまだ分からない。遠距離手段を持った剣、刀使い、もしくは薙刀使いが居る。そしてその人物はマスターでサーヴァントをどこかに隠している。何かしらの実験を行っており、その実験の結果幸か不幸か死んだ人間を死んだ直後の状態にすることに成功。魔術的に詳しい人物がいればこれだけの物証で正解が導けるのだろうが、自分はそうでは無い。魔術的な知識ではあくまで東洋の陰陽術の使い手である紫式部の知識は当てはまらないことを踏まえると自分たちは、何も分からない、しかし警戒されている状態で侵入しなければならない。
 簡単な仕事ではないが川本というマスターのことも気になる。幸
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