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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-参-
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げるというよく分からない空間が形成された。
「なにこれ」
誰にも聞こえない呟きが出てきた。そこまで独り言が多いということは無いが先ほどの緩急はそれだけで風邪をひきそうなほどの差がある。
それを楽しそうに眺めるアタランテ。このマスターとサーヴァントの関係性がいまいちよく掴めない。
「マスター。今回の件を謝るついでに彼女達も連れて行こう。なに、マスターがしっかりしていれば済む話だ」
しばらくそれを眺めた後にアタランテが折衷案、というと違うが自分達を連れていくという案を出した。
その時、なるほど、と思って思わず頷いてしまった。
アタランテはこの案を出す為に自分のマスターを誘導したのだ。考えてみてばアタランテは下手なことを言うことはなく会話の外にいながらゆっくりとマスターが罪悪感で一緒に行けるような雰囲気を作り出していた。
なかなかのやり手だ。自分のサーヴァントに利用されるマスター、という訳の分からない構図も出来上がっているが真木もそれに気付いている、と思えば悪くない関係性だとは思う。多分。きっと。メイビー。
「アタランテ!?そ、それは...。了解...っす。それじゃあ...えっと...源、さん?」
予想通り真木は今まで渋っていた答えをサラリと出した。いや少し悩んでいたような気もするが意外とすぐに折れた。
「葵で大丈夫です」
「そんじゃこっちも祐介でいいっすよ。後敬語も大丈夫っす。」
と真木、いや祐介が右手を差し出す。その動きが変に見えた気がしたがすぐに握手だと理解して出された手を握る。彼の手はとても硬くてゴツイ、と表現するのが正しい手だった。
その時、思っていた違和感に気がついた。
先程から泰山解説祭が、発動していない。
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