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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-参-
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ヴァントは依代というマスターを失った場合長くはいられない。アタランテ達、アーチャークラスのサーヴァントは単独行動を持っているがそれでも限界がある。つまりアタランテの魔力が少なくなった時が彼の死を知るタイミング。もしそんなことがあったら自分で自分を許せるか、わからない。自分達もそれなりに戦えるから尚更だ。
「それもそうっすけど、今は貴方たちの安全の方が大事っす」
しかしそんな必死な紫式部とは打って変わって真木は至って冷静に返す。
優しさ、と言うよりそちらの方が都合がいいという判断というのは分かる。その証拠に真木が一切笑っていない。現実を見て危険だと理解しているから笑えない。
笑えないほど大変だとわかっているのに、彼は一切協力を求めない。せめて自分のサーヴァントと一緒に行って欲しいがそれだと自分たちが再び入る、と思っているのか追っ手が心配なのかわからないがそれも崩す気は無い。
「あたし達だって戦えます!川本さんも私たちが探さないと...」
しかし、いや。だからこそ、そうさせる訳には行かない。彼は知らないが自分たちも自分たちなりに覚悟を決めて戦闘を繰り返した。傭兵について行って戦うなんてことも多くあったし、魔性殺すブーツなどの戦う方法もある。何より一緒に紫式部がいる。彼女がいるのなら、負けはしない。
立ち上がって真木の目を覗くようにみる。意思表示の基本だ。
「止めた方がいいっすよ。下手なことをすると、死ぬっすよ。冗談抜きで」
自分の声を切り離すように真木が非常に冷たい声と顔で返した。冗談を言うような口調が続いていたが「っす」だなんて語尾をつけてるとは思えないほど冷静だ。
まるで次について行くと言ったらその首を切る。そう言っているように見える。
「それは...そうですが...だからって一人で行くことないですよ。せめて自分たちはここで待機してるのでアタランテと一緒に...」
その気迫に押されながらもアタランテをチラリと見て真木に言う。
そのアタランテは腕を組んで待機している。マスターとサーヴァントの信頼、と言うには少し仕事っぽさも感じるが「マスターが決めたのだから異論はない」という意味だろう。必要以上に口を挟むことはなく、会話よりも周りに気を配っている。
「その場合別働隊が君達を攻撃する危険があるからダメっす。本当なら援軍を頼みたいところっすけど頼んでも間に合わなさそうなので仕方ないっす」
もし、川本さんの話がなかったら、彼は自分たちを安全な場所まで送り届けたあと、アタランテと援軍と一緒に入っていたのだろう。
実際、真木もそれなりに焦っている。川本さんが無事か。今から行って間に合うか。生きて帰って来れるか。賭けにしては分が悪すぎる。
「中には、サーヴァントを倒す程の敵
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