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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-参-
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は行かない。正義感、というのもあるがそれ以上にそんなものに私たちの図書館を壊される可能性を考えたら傭兵として戦ってきたこの人と一緒に倒しておきたい。そういう考えがある。

「了解した。ふむ。話には聞いていたが中々に骨のある若人だ。図書館を運営している、というのに間違いはないがそれ以上に強い覚悟が見える。此度の依頼は取材としても絶好に機会だ。何をしたいか、はあえて聞かぬが活かしてくれ」

 川本はそれを頷いて了承する。最初は彼からしても協力者が欲しいのでは、と思っていたがどうやらそうでは無いらしい。単純な善意で取材をさせてくれるというのだ。その証拠にこの話にお金の話題は一切出てこなかった。
 川本が席を立つ。アレキサンダーも何も言わずに彼のあとをついていく。そして出る寸前にこちらを振り向いて手を軽く振った。

「ありがとうございます」

 頭を下げて川本を見送る。
 その後、すぐに取材の準備を始めた。

◇◇◇

 そうして、今に至る。入ったらいつの間にか川本さんとアレキサンダーは姿を消して探していたら急に爆発からの誘拐されるように連れ出された。何が何だか分からないがとんでもないことに巻き込まれたらしい。
 
「それで、その後ここに来たら早速はぐれた...ってことっすね」

 目の前にいるのは自衛隊員が出てきたかのような迷彩服に銃を持った1人の成人男性。自衛隊員、と先程は言ったがそれにしてはその、全体的にチャラい雰囲気を醸し出している。慣れてないのか「っす」という時だけ声が上がっている気がするのは慣れていない、つまり演技なのだろう。年齢はそれほど変わらない、自分少し年上か、それとも同い年か。
 そして、何より言えることは彼らは戦いに慣れている。強さは分からないが場数では確実に自分達の上を行く。
 エインヘリアルという組織に属している真木祐介というらしい。アーチャークラスのサーヴァント、アタランテのマスターであり、傭兵を名乗っている。

「はい」

 とりあえず嘘をつく理由は無いのでエインヘリアルと名乗った傭兵に事情を説明する。状況は掴めないがどうやら助けて貰ったことは間違いなさそうだ。川本さんも心配なので協力してこの事態を解決することに異論はない。
 と思っていたのだが真木は悩むように顎の辺りに手を当てる。その状態でしばらく考え込んだと思ったら何処かで諦めたようにため息をつく。

「...仕方ないっすね」

 ため息をついて彼は一回手を顔に当てて落ち着くように再びため息をつく。
 それにしても...何かが、おかしい。いつもとは違う何やら強い違和感を感じる。

「どう...したんですか」
「い、いや。悪かった...っす。その、川本さんという傭兵もこちらで探しておくので貴方たちは安全な場所まで逃げて
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