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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-壱-
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らない状態で踏み込む訳には行かない。
「敵か?」
息を潜めながら小さな声でアタランテに問う。恐らくアタランテが拾ったのは足音か、もしくは匂いか。これで敵かどうかの判断はかなり厳しい。しかし分かるのなら、緊張感が少しは弱まるかもしれない。
しかしアタランテは小さく首を横に振る。
「分からない。が、どうやら何かを探っているようだ。敵か、もしくは」
「同業者か。よし。こっちで交渉に出る。最悪の場合」
この辺りの事件が気になったヤツらに雇われた傭兵か、少なくとも探しているということはこちらの細かい位置はバレていないはず。奇襲は不可能では無い。
そして傭兵なら手を組んでしまえば多くの情報を手に入れられるかもしれない。相手がどうしても、というのならこちらの情報を渡して情報料を請求して撤退、と言うことも出来る。もちろん、子供が殺された現場だと言うのにアタランテが頷くとは思えないが。
「ああ、後ろから撃つ。マスターには当てんさ」
アタランテの声を聞いて小さく頷くとアタランテが再び霊体化した。相手がサーヴァントなら霊体化していようと見破られるが、逆に言えば大抵のマスターは気が付かない。奇襲にはもってこいだ。
こちらも持っていた緑色のマントを羽織る。これはレーダーを無効化する効果を付与されたバックワームと呼ばれる魔術礼装だ。これで全てとは言えないが大半のレーダーから身を守れる。動きにくいのが難点だが、今回はメリットの方が大きい。
地面を這うように低い姿勢になって足音を立てずに走る。遠目からでも相手が見れればそこから判断することも不可能ではない。
アタランテの指示に従って道なりに進んでいく。もちろん、拳銃はいつでも放てるように準備をしておく。
「(近くだマスター。見えるか?)」
「(ちょっと待ってくれ。よいしょっと...見えた。女が二人、片方はサーヴァントだな)」
そこに居たのは2人の女性。
影しか見えないのでマトモな情報は得られないが探して回っているというのは嘘ではないらしい。同じような場所をずっと回って誰かを呼んでいる。
「(アタランテ、声は聞き取れるか?)」
「(ああ、この辺りではそれなりに名の通った傭兵の名前だ...恐らくはぐれたのだろうな。)」
「(え、なにそれ知らん。怖っ...)」
呼んでいる、ということはこちらの敵である可能性は低い。傭兵を呼んでいる、ということは恐らく戦闘の初心者だろう。保護してここから脱出する必要がある。
拳銃をホルスターにしまい、彼女達の目の前に出た瞬間。
「ちょっと君たち、少し──っ!」
何かが光った。金属が鏡のように光を反射したような光だ。普通なら全く気にしない、ただの光。問題はその方向と光り方。恐らく投げナイフ。女性
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