第十三話 無理はしたら駄目その一
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第十三話 無理はしたら駄目
夜空はその朝咳込んでいた、それを見た佐京はすぐに彼女に言った。
「風邪?」
「あっ、別に」
「そうした咳だから」
彼女のそれを見ての言葉だった。
「危ない、体温計で体温計って」
「いや、そこまではいかないから」
「駄目、健康管理には気を付ける」
穏やかだが確かな声での言葉だった。
「だから」
「それでなの」
「まずは体温計で体温計って」
そうしてというのだ。
「そのうえで熱があったら」
「その時は?」
「今日は幸い休日だから」
だからだというのだ。
「朝からじっくり寝て休む」
「そうしろっていうの」
「風邪薬も飲んで」
このことも忘れないでというのだ。
「寝ること」
「そうしないと駄目なの」
「風邪は万病の元」
表情も口調も普段と変わらない、だが有無を言わせぬものがそこにはあった。
「だからまずは体温計る」
「そうしてなの」
「熱があったらお薬飲んで寝る」
「じゃあなかったら?」
「お薬飲まないで寝る」
そうしろというのだ。
「身体がしんどかったら」
「そうね、夜空ちゃん今しんどいわね」
真昼は妹の今の顔を見て話した、三人共私服姿である。夜空も真昼も動きやすいズボンで佐京も同じである。
「そうよね」
「わかるの」
「わかるわよ」
それこそという返事だった。
「だって家族よ」
「家族だからなの」
「夜空ちゃんだって私が調子悪い時わかるでしょ」
「お姉ちゃん奏した時すぐにお顔に出るから」
「夜空ちゃんは唇の色が悪くなるのよ」
「あっ、そうですね」
佐京はここで夜空の唇を見て頷いた。
「見たら」
「そうでしょ、いつもより色が悪いでしょ」
「確かに」
「こうした時はね」
真昼は佐京の横に来て彼にも話した。
「夜空ちゃん体調悪いのよ」
「そうなんですね」
「覚えておいてね」
「はい」
真昼に確かな声で答えた。
「そうしていきます」
「だから夜空ちゃんまずは体温計使って」
姉もこう言った。
「いいわね」
「わかったわ」
姉にも言われてだった。
夜空は頷いた、そして体温を計ってみると。
「三十七・五度ね」
「熱あるね、だったら」
佐京はその体温を自分も確認して夜空に話した。
「もう今日は」
「休むことね」
「そう、じっくり休んで」
そうしてというのだ。
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