第十話 東京だけでなくその十四
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「今いないのはな」
「やはり痛いな」
「全くだよ」
「成仏したなら仕方ないな」
ヤーブンも言ってきた。
「どうもそうなったら復活出来ないみたいだしな」
「そうみたいじゃのう」
有明の方も応えた。
「これが」
「そうだよな」
「うむ、萬月に頑張ってもらうしかない」
「兄さんが牙鬼家の次の主だな」
「そうなる」
「じゃあ頑張れよ」
ヤーブンは萬月に励ましの言葉を贈った。
「これからな」
「ああ、牙鬼家を栄えさせるな」
「そう思うことがいいんだよ、応援するな」
「悪いな」
「悪くはない、俺達は仲間だろ」
ヤーブンの言葉は暖かいものだった。
「それならな」
「いいんだな」
「ああ、そこから努力してな」
そうしてというのだ。
「いい当主になれよ」
「そうなるな」
「俺もだな」
ギルは仲間達の話を聞いて言った、そうしながらワインを飲み持って来た兵士に労いの言葉をかけた。
「ザンギャックの主として皆を大事にしないとな」
「そうお考えならです」
ダマラスが応えた。
「忘れないで下さい」
「この考えをだな」
「それでこそ真の帝王です」
「そうだな、今の領土とだ」
「民達をですね」
「大事にしてな」
そうしてというのだ。
「確かにだ」
「治められますね」
「そうしていこう」
こう言うのだった。
「これからは」
「そうされて下さい」
「そしてだ」
ギルはさらに話した。
「その為の知恵と知識をだ」
「ドクターマンからですね」
「得られればな」
「よいですね」
「そう考えている。無闇に侵略を行いだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「領土を拡大せんとしても」
「内政がおろそかになり敗れてはだ」
そうなってはというのだ。
「本末転倒だ」
「だからですね」
「これからはな」
「領土と民を大事にし」
「使い捨てになぞせずな」
そうしてというのだ。
「やっていかないとな」
「その通りですね」
「全くだ、ザンギャックは侵略よりもだ」
それよりもというのだ。
「内政であり人材もだ」
「大事にすることですね」
「そうしていこう」
こう言うのだった。
「これからはな」
「そうそう、ブラックなんて最悪ですからね」
クレオンはいささか必死な態度で応えた。
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