暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
困憊するあたしは、奴らを逃がす
[後書き]
[8]
前話
[9]
本文
[2]
次話
横須賀のどこか。
どこでもあるかもしれないし、どこでもない場所
そこに黒い染みが現れ、それが段々と大きくなる。
水溜まりくらいの大きさになると、そこからずぶずぶと人影が上がってきた。
「……。」
両手は欠損し、血では無い何かが絶えずどぼどぼと垂れ続けている。
そしてその口には、バッサリと大きく切り裂かれた人形が咥えられていた。
「……。」
やがて全身が出てくると、彼女は覚束無い足取りでとぼとぼと歩き出し、丁度いい瓦礫を見つけるとそこに身を預ける。
咥えていた人形を傍に置き、上を見やる。
ボロボロの建物から覗く星空。
自分がこんな目にあっているのにも関わらず、キラキラと輝いている。
「……。」
涙が出てくる。
悔しいから?いや、呪い≠ヘ育った。むしろ嬉しい。
負けたどころか、結果的には自分達の勝ちだ。
じゃあ、涙の理由はなにか、
「は、はは、ははははっ、はははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!」
嬉し泣きだ。
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!」
嬉しくて嬉しくてたまらない。
皆が、全員が、
あそこにいた全ての者が、自分を排除しに襲いかかって来る。
自分は悪者だ。いるだけで呪いを撒き散らす自覚なき悪意だ。
「呪いは完成する…私は、私は、本当に桜ちゃんになれる…!!!」
治った両腕≠伸ばす。
星を掴まんばかりに伸ばす。
満面の笑み。ドス黒い呪いの根源
「ええ、なれますとも。真誉殿は着実に近づいておられます。」
いつの間にか隣にいた道満もそう言ってくれている。
「ほんと?」
「ええ、ほんとにございます。拙僧は真誉殿のサーヴァントなれば。否定する理由が何処にございましょう?」
ならやれる。
できる。
ならば、
「じゃあやろうね。桜ちゃんになる為に、まずはキミ≠フ願いを叶えてあげよう。世界に呪いを撒き散らして、私が桜ちゃんになる。それから…」
ぜんぶ、こわしてしまえ
[8]
前話
[9]
本文
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ