第七百四十六話 ベーグルその二
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「いいんですね」
「悪いですね」
ウエンディもラビの人に言った。
「どうも」
「いえいえ、遠慮はいりません」
ラビの人は二人にも穏やかに話した。
「ですから残す方がです」
「悪いですか」
「そうなんですね」
「はい」
まさにというのだ。
「残してはです」
「勿体ないですね」
「とても」
「かつてはです」
ラビの人はさらに話した。
「人は満足に食べることすらです」
「出来なかったですね」
「それも全く」
「はい、そして」
二人に言うのだった。
「大食がです」
「大罪の一つだったんですね」
「餓えと隣り合わせだったので」
「紀元前なんか農業技術も未熟で」
「荒れ地はそのままで」
「そうした時代のことを忘れないで」
そうしてというのだ。
「食べものは残さずにです」
「食べることですね」
「絶対に」
「大食は大罪でありますが」
それと共にというのだ。
「残すこともです」
「罪ですね」
「悪いことですね」
「七つの大罪ではないですが」
そこには書かれていないがというのだ。
「しかしです」
「悪いことであってしてはいけない」
「そういうことですね」
「そうです、ですから残すよりは」
そのベーグルをというのだ。
「皆さんで食べて頂きたいです」
「そうなんですね」
「そうお考えなんですね」
「そうです、そして」
二人にさらに話した。
「美味しいですから」
「あっ、甘くてですね」
「お菓子みたいなのね」
「みたいではなくそうですね」
お菓子だというのだ。
「生地は柔らかく甘くて」
「生クリームが乗っていて」
「それで、ですか」
「ドーナツやケーキの様に」
そうした感じでというのだ。
「召し上がれます」
「そうですか、それじゃあ」
「ご馳走になります」
「ベーグルはユダヤ系から出たのよね」
アンはこのことを話した、この時代においてもよく食べられていて連合では誰もが知っている料理の一つである。
「ユダヤ教の教義に従ってね」
「作られてるんだね」
「そうしたお料理ね」
「そうなのよ、だから今もね」
「イスラエルでもよく食べるんだね」
「ユダヤ系の社会でも」
「そう、朝に軽く食べるとか」
そうしたことはというのだ。
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