第百二十五話 応援その五
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チアガールの応援をした、男子もそうしたが彼等は応援団から借りた黒い詰襟の超長ランにボンタンだったが。
白襷を付けたそれを見てだ、隣のクラスのフランスの娘が言った。
「クールジャパンね」
「応援も?」
「そう思ったわ」
こうかな恵に話した。
「恰好いいわ」
「そうなの」
「この学校に応援団あってよかったともね」
「思うのね」
「他の学校ではなくなっていってるのよね」
「ええ、それはね」
かな恵は金髪をショートにして青い目で背の高い彼女に話した。
「平成の最初の頃からの流れでね」
「チアガールになっていってるのね」
「そうなのよ。大学でもね」
「なくなっていってるのね」
「近畿大学の応援団が有名だったけれど」
とあるギャグ漫画のモデルにもなっていたという。
「もうあの大学にもね」
「応援団ないの」
「そうみたいよ」
「それは残念ね」
フランスの娘も話を聞いて心から思って言った。
「こんな格好いいのがなくなるなんて」
「超長ランに白襷で」
「応援団の応援も好きだしね」
「それで運動会でそれぞれのクラスがしてるの見ても」
「いいと思うわ、他の国にないしね」
「ないの」
「日本だけよ」
応援団の応援はというのだ。
「本当に」
「そうなの」
「私の知る限りね」
「そうだったのね」
「ええ、ただ白はないの」
フランスの娘はこうも言った。
「白の超長ランは」
「いや、学校で白い制服の娘少ないでしょ」
かな恵はこのことから話した。
「そもそも」
「男女共にね」
「色々な制服のある学校だけれどね」
それでもというのだ。
「白の詰襟やブレザーの人が少ないのは」
「セーラー服でもね」
「汚れ目立つから」
白だと、というのだ。
「どうしてもね」
「ああ、確かにね」
フランスの娘も言われて頷いた。
「目立つわね」
「白い制服でカレー食べにくいでしょ」
「ビーフシチューもね」
「おソースとかお醤油付いてもね」
「目立つわね」
「だからね」
「着てる人少ないわね、私制服青だけれど」
フランスの娘は自分の話もした。
「群青ブレザーと赤いスカートね」
「それにしてるの」
「一次大戦の最初の頃のうちの軍隊の制服の配色で」
それでというのだ。
「恰好いいからね」
「その配色なのね」
「この配色だと汚れ目立たないわね」
「群青は特にね、けれどね」
「白だと」
「学校生活って動き回るし」
「だからね」
そうであるからだとだ、かな恵は答えた。
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