第一章
[2]次話
犬と猫の雑貨屋のお話U
猫のジンジャーと犬のピクルスは一緒に雑貨屋を営んでいます、それで今は閉店後お店の倉庫の中で整理をしていますが。
ジンジャーは倉庫の中にある段ボール箱の一つを見てです、ピクルスに尋ねました。
「こんな箱あったかな」
「その箱は昔流行した柄のハンカチを入れてるんだよ」
ピクルスはすぐに答えました。
「流行から遅れると売れないからね」
「そうなんだ、けれどこのままここに置いておいてもね」
ジンジャーはそのお話を聞いて言いました。
「仕方ないよ」
「倉庫にあるだけだね」
「倉庫に置かれるものも限られているし」
ジンジャーはこうも言いました。
「だからね」
「それでなんだ」
「売った方がよくないかな」
こうピクルスに提案しました。
「幾ら昔の流行でも」
「それでもだね」
「お店に出してね」
「売るんだね」
「そうしよう」
こう言うのでした。
「ここはね」
「そうだね、このまま置いておいてもね」
それでもとです、ピクルスも考えるお顔になって応えました。
「仕方ないね」
「そうだよ、ハンカチなら誰でも使うね」
「そうだね、じゃあお店に出そうか」
「段ボール箱から出してね」
「ハンカチのコーナーに並べよう」
こうお話してでした。
段ボール箱をお店に出して箱を開けました、するとハンカチが箱の中に詰められていました。ジンジャーはそのハンカチ達を見てピクルスに言いました。
「今見ると別に古くもね」
「ないかな」
「そう思うよ」
その柄を見て言うのでした。
「これはね」
「そうなんだね」
「どのハンカチもいいアラベスク模様で」
「今の流行じゃなくてもだね」
「古くないし悪くもね」
「ないね、確かに」
ピクルスもその柄を見て言いました。
「よく見てみたら」
「だからお店に出せば売れるよ」
「確かにね、僕達二匹共いいっていうなら」
「いいっていうお客さんも結構いる筈だし」
「売れるね」
「じゃあお店に出そう」
こうお話して実際にお見せのハンカチのコーナーに出しました、すると結構なお客さん達がアラベスク模様の昔の流行のハンカチを買っていきました。
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