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豊臣秀吉が異世界で無双系姫騎士やるってよ
第2話:忍者が足りない……
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「だからこその進軍再開だ」
「と、申しますと?」
「あの敵将が何か変だったからだ」
「変?」
「俺が聞いたムソーウ王国の将校は、その全てが勇猛果敢な一騎当千だそうだ」
「それは私も聞いております」
「だが、実際に戦ってみてどうだ。俺達がちょっと前哨を破壊したくらいであの逃げ足だぞ?」
「確かにあの逃げ足は勇猛果敢とは程遠いですが……あの敵将が唯の臆病なだけでは?」
そんな副官の予想に対し、上官は困った顔をしながら首を横に振った。
「俺にはどうもそれだけには視えない。あの逃げ足……わざとの様な気がしてならんのだ」
副官はそこで漸く上官の言いたい事を理解した。
「つまり、あの敵将が魅せた逃げ足が罠か臆病かを確かめる為に、と言う事ですな?」
副官の言葉に上官がニヤッと笑うが、
「しっしっ!あっち行け!」
「ん?何の騒ぎだ?」
部下が必死に手を振っているので、何が遭ったのかを確かめるべく上官が其処に向かう。
「何が遭った?」
だが、部下は気楽に答えた。
「すいません。この蜂が意外としつこくて……あー、もう!いい加減にしろ!」
その途端、上官が激怒した。
「馬鹿もん!」
「え!?」
「蜂を素手で追い払うな!毒針に当たって体調が崩れてしまうだろうが!」
「え!?ですが―――」
「体調の悪化は部隊の乱れ!体調管理を怠ったら、勝てる戦いに敗けてしまうだろうが!」
「……すいません」
どうやらこの上官は、オラウが慎重に部隊の後退を選んだだけで『救い難い無能』のレッテルを張った戦術知らずのムソーウ王国軍一般兵達とは違ってそこそこ賢い様だ。
が、その賢さ故に蜂を素手で払う行為を止めさせた事が、この上官が率いる部隊の後々の敗因になろうとは……

翌朝……
敵は進軍を再開した様だ。
アニマが操った蜂の話によると、今回の敵将は豊臣秀吉(わたし)が出した後退命令に罠の気配を感じているそうだ。
実際はただの準備不足なだけだったのだがな。
あの敵将、結果的にではあるがその慎重さに自分の首を絞められたな。
とは言え……もしエイジオブ帝国の将校全員が今回の敵将と同じくらい賢かったら、戦下手過ぎるムソーウ王国の勝ち目はますます減るぞ!
早く何とかしないと!
「む?停まれぇー!」
敵将が立ち塞がる私を発見して部隊を停止させる。
くぅー!ますますあの馬鹿共にこいつの慎重さを見習わせたい!
とは言え、ここで開戦となっては今回の作戦が根底から崩れる。
……攻めて視るか。
「光刃!」
私が思いっきり裏一文字を放つやいなや、光の斬撃が銃弾に様に敵に向かってすっ飛んで往く。そして、それだけで数十人の敵を木の葉の様に吹き飛ばす。
これがムソーウ王国が誇る戦技の1つ。
ムソーウ王国軍にはこの様な1人で数十人の敵を一瞬で討ち取
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