第2話:忍者が足りない……
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」
駄目だ!こんな状態で敵鉄砲隊と戦えば、こちらは間違いなく全滅して皆殺しにされる!
「後退だ……」
「……姫様?何を馬鹿な事を仰っているのです?」
何?その馬鹿を見下すかの様な顔は?
この様な状態で敵鉄砲隊と戦えと?
死にたいのかお前は!
「後退だ!これは命令だ!」
「馬鹿な事を言わんでください!そんな事をしたら敵に逃げる背中を見せてしまいますぞ!今直ぐお考え直しを!」
何で自分達の全滅を避ける為に逃げろと言った私が説得されにゃいかんのだ?
勇猛果敢もこれでは無知無謀よな……
「いいから後退だ!これは勝敗どころか生死すら左右する事だぞ!早く!」
なんとか敵大筒の次の攻撃から逃げ切ったが……
……どいつもこいつも私の後退命令への愚痴しか言わぬ。中には他の将校と私を比べて「そっちの方が良かった」とか言う輩までいる……
とは言われましても、あんな敵の鉄砲や大筒の数がまったく解らずな状態で突撃命令を出せと?
アホか!
そんな事をしたら、私達は全滅だ!信長様が長篠で武田家をコテンパンにした時の様に!
くっ!
豊臣秀吉は信長様の許で多くの戦を経験したと思い込んでいたが、それはただの慢心だったか?
この期に及んで、漸く勇猛果敢で無知蒙昧な部隊を率いながら未知の敵と戦う事の困難さを思い知るとは……
……あーーーーー!
神よ!勝利の女神よ!
この迷えるオラウ・タ・ムソーウに忍者を与えたまええぇーーーーー!
「こんな所で何をやっている!」
「ひゃ!?す、すいません!」
なんだ?
「また貴方でしたか?戦場は貴方が来る場所ではありません」
「でも!僕もマッホーウ法国の―――」
「ですが!」
「どうかしましたか?」
「チッ!」
こいつ!
全力舌打ちじゃなかったか今の……
「ごめんなさい!」
それに引き換え、何でこの子供は謝っておるのじゃ?
「でも……でも、僕もマッホーウ法国の王子だ。だから、マッホーウ法国の役に立ちたいんだ」
そうでしたの―――
「何言ってんだ。大した魔法も使えない癖に」
このバカ!
私が出した後退命令に対する不満もあってか、このガキ……もとい!覚悟を決めたいくさ人に対して客将相手とは思えぬ雑で乱暴な扱いしおって。
でも、今はこの王子様の事に集中だ。
でないと……この馬鹿共への怒りと忍者不足による不安で気が狂いそうじゃ。
「で、実際にどのような魔法を?」
が、この質問が悪かったのか、さっきまでいくさ人の様な顔をしておった王子様の表情が曇った。
「……小動物を操る魔法と……動物と会話する魔法……」
「他には?」
「……以上……です」
あー、なるほどね。
つまり、1発で数十人の敵を吹き飛ばせるほどの魔法が撃てないから……
ん?…
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