第132話『忠告』
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るとこ見られるの恥ずかしいんで、オフレコでお願いします!」
「はいはい、見なかったことにするよ。じゃあな」
「はい、また明日〜」
すぐに取り繕ってその場を離れる伸太郎。刻は笑顔を見せて、手を振って見送ってくれた。
疑いが確信に変わることはなかったが、逆に彼女の容疑が晴れることもない。今後も様子見といったところか。
「……びっくりした〜。ここには人来ないと思ったのに、よりによって伸くんに見つかっちゃうなんて。もしかしてうちって警戒されてる?」
伸太郎が去った後、何事もなかったことに安堵する刻。
わざわざ人目につかない所を探したのに、人に見つかってしまうのでは意味がない。何せあまり人に聞かれたくはない『会話』をしていたのだから。
それに、晴登や結月とは仲良くなれたつもりだが、伸太郎には一線を引かれているようで、どうにも上手くいかない。警戒しているのか、はたまた人付き合いが苦手なだけなのか。どちらにせよ、打ち解けるにはもう少し時間が必要だ。
『────。──?』
「ダメダメ。焦る気持ちはわかるけど、今は大人しくしておかないと。騒ぎを起こしても余計に疑われるだけでしょ。マジシャンたる者、常に冷静に観客の様子を観察しないと」
刻とは違う声が代案を提示してくる。しかし、そんな野蛮な案は許可できない。魔術部の部員に見られたのは誤算だったが、まだいくらでもフォローはできる。
「今必要なのはミスディレクション。うちに向いた注目をどう利用するか」
『────?』
「そうだね。種が明かされる前に手を打っておこうか」
謎の声と2人だけの会話を済ませて、刻はこれからの方針を決める。まるで、これから盛大なマジックショーでも巻き起こすつもりかのような、楽しそうな表情を浮かべながら。
「──全てはうちらの夢の舞台のために」
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