第132話『忠告』
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らね。それに、ここの魔力は僕にとって少し異質だから、あまり長居はしたくないかな」
「そうですか……」
恐らくそれが『とある理由』というものだろう。晴登には神有地ごとの魔力の違いなんて全然わからないが、アーサーのような実力者には影響があるのかもしれない。
最後にアーサーは手を振ると、なんとフェンスを飛び越えて屋上から飛び降りてしまった。慌てて下を見てみるが、もうアーサーの姿は見当たらない。
「……俺が、皆を守るんだ」
そう決意を新たにし、晴登はアーサーに対して深くお辞儀をするのだった。
一方その頃、アーサーは大衆の視線を浴びながら颯爽と正門を抜けていた。その瞬間、さっきまで続いていた肌をチクチク刺すような刺激感がすっと消える。
「この異質な魔力が及ぶ範囲はちょうど学校の敷地と同じくらい、か。この学校の生徒であれば害はないが、外部の魔術師にとっては過酷な環境になる。ここの神様は余程この学校に執着しているみたいだね」
そう言い残し、アーサーは日城中を後にした。
*
アーサーとの話を終え、結月たちと合流してからも特に何事もなく文化祭を回り、1日目の日程は終了した。この後は一度自分たちの教室に集まり、1日目の片付けや2日目の準備を行う。
ただ、アーサーから聞いた話のインパクトが強すぎて、後半はあまり文化祭に集中できなかった。
内容を整理してから、折を見て各部員に伝えようと思う。刻と狐太郎はまだスサノオについても知らないので、どうやって説明するかはこれから考えよう。
「お疲れ〜」
「晴登〜!!」
「うわ、何だよ大地。その格好で抱きついてくんな!」
教室に戻って来て早々、メイド姿の大地が胸に飛び込んでくる。何とか受け止めたが、大地がこういうスキンシップをしてくるのは珍しい。
「何かあったのか?」
「このカフェ、結構話題になってたみたいで、午後になってからも客入りが凄くてよぉ、人手が足りなくて大変だったんだよぉ。何で助けに来てくれないんだよぉ」
「いや俺シフトじゃねぇし。でもそこまで人が来るのは予想外だったな。明日は少し制限した方が良いかもしれない」
「ダメダメ! それじゃ売上が下がっちゃう! 私たちが頑張れば良いのよ!」
「うぇ〜ん、勘弁してくれよ莉奈ちゃ〜ん!」
あんなに息巻いてた大地がここまで弱るなんて。実は女装の影響が出ているのかもしれない。莉奈はいつも通りだけど。
「お、いたいた晴登」
「ただいま! 晴登君!」
「おかえり二人共。一緒にいたの?」
「いや、帰ってくる途中で会っただけだ」
大地を引き剥がしながら、教室に戻ってきた伸太郎と狐太郎に
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