§72 これだから陽の者は……
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ってきたのは呆れた視線とため息と小言。
「……相手はカンピオーネだぞ? そんな常識が通用するわけないだろう」
「待て!! 勝手に俺達を巻き込むな!!」
心外だとばかりに叫ぶ護堂を見て納得。法で縛れず、己が心の儘に振る舞う輩はこれだから……と自分を棚に上げつつ愚痴る。己も若干その気がある気がするのであまり強くは言えないのだけれど。でもせめて良心に従えと言いたい。従ったうえで強奪なのか。そうだとしたら世も末だ。
「そうだね……護堂みたいなやつだもんなぁ……じゃあ返さないか……」
力尽くで返してもらうか、とも思うがその結果想像されるのは怪獣大決戦。こちらが被害を出したくない、とバレているだろうし、戦場を都市部にされたら勝ち目が無い。相手が変な権能使って被害が出たらそれまでだ。そしてカンピオーネは勝利の為なら手段を選ばない。つまり、絶対にやる。そしてこっちが手を出さなければ〜だのなんだの言いだすのだ。間違いない。
「護堂のお陰でシミュレーション出来たわ。逆鉾奪還無理だ」
よしんば奪い返せたとしても、また奪いに来るだろう。イタチごっこだ。再強奪を防ぐためには殺すしかないだろう。アレクは死なない限りなんどでもやろうとする。間違いなく。そして黎斗は、そのために殺しをするほど人間辞めてはいない。
「そうよねぇ……無理よねぇ……」
「不本意だ!!」
護堂先生が喚いていらっしゃるが今までの自分の所業を是非とも振り返っていただきたい。
「れーとさん、自分も同類なの忘れてない……?」
「いや僕は大量破壊もしないし盗みもしないし……」
「引きこもってますからね」
破壊とかしない代わりに人間として終わってますよ。と宣うエル。
「あの……もうちょっとなんというか……手心というか……」
キツネさまァアアアア、と言いかけた所で鳩が一匹。こんこんこん、と窓を叩く。
−−−−来た
「エル、通訳お願い。申し訳ないけど、今の僕では役に立たないので色んなゴタゴタは護堂に任せた。僕は、ちょっと力を取り戻してくるわ」
立ち上がって、壁に掛けてある道具を身に着ける。大したものはかかっていないけれど、無いよりマシだ。
「いいけどお前、勝算はあるのか? 俺の方は後回しでも問題ないし。お前が復活するなら、そっちの方が勝ちの目が増えて良い」
必要ならば手を貸すぞ、と言わんばかりの護堂。頼もしいが、ランスロット達がいつ来るかわからないのがネックすぎる。最悪同時に襲来しても、なんら不思議ではない。裏でつながっていない保証がないのだから。
「へーきへーき……とは言わないけれど。ランランがこっちに来て、アレクもこっちに来るならそっちをなんとかしてほしいかなぁ。エル、恵那。ダヴィ
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