第十二話 驕る平家は久しからずその十二
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「はかどる人もいるわ」
「本当にそれぞれね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「自分がどのタイプかわかることも」
このこともというのだ。
「難しいわよ」
「自分がどうかってわかることも」
「自分で自分のデータ見られないでしょ」
「ゲームでは見られても」
「ゲームはそこが楽なのよ」
真昼はご飯を食べつつ答えた。
「本当にね」
「自分がわかるから」
「けれど実際はね」
「わからないから難しいのね」
「人は自分のことが一番わからないっていうけれど」
「自分のデータを見られないから」
それでとだ、夜空は言った。
「どうすればいいかわからないから」
「難しいのよ」
「そういうことね」
「そういえばゲームもです」
白華がここで言ってきた。
「でーたを確認しないとです」
「プレイ出来ないわよね」
「はい」
真昼にハンバーグを食べつつ答えた。
「とてもです」
「難し過ぎてね」
「RPGでもシュミレーションでも」
「どんなゲームでもね」
「はい、それでなのですね」
「現実はね」
「データが確認出来ないので」
それでとだ、白華も頷いた。
「難しいのですね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「本当にね」
「そうですね」
「だから何でもやってみて」
そうしてというのだ。
「自分のタイプをね」
「見極めることですね」
「それが出来たらね」
そうすればというのだ。
「楽よ。野球でもスラッガーで守備の悪い人が」
「そうした人いますね」
「その人を指名打者にしたらね」
守備が悪いのでというのだ。
「急に打てなくなったとかね」
「ありますか」
「ええ、阪急にいた長池徳士さんね」
ミスターブレーブスと言われ本塁打王を三回打点王を二回獲得した強打で知られた選手で打率も結構なものだった。
「この人守ってね」
「守備が悪くてもですか」
「バッティングの調子を取る人でね」
「守らなくなるとですか」
「急に打たなくなったのよ」
「そうなんですね」
「驚く位ね」
これがというのだ。
「打たなくなってね」
「引退ですか」
「結構若くね」
三十代前半で引退している。
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