刃の始まり
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を含め、全自動人形が拒否を現した。
「皆様に頼られるだけで私達、自動人形はそれだけで是と答えます。それなのに頭を地面に擦られてでも頼まれたシュウ様に対して何もしないのは侍る事を忘れたただの女どころか、自動人形の風上にも置けません───以上」
故に
「だからこそ、鋼鉄の指を持ってシュウ様を指導し、鋼鉄の足を持ってシュウ様を先導し、鋼鉄の思考を持ってシュウ様を谷底に落としました───以上」
それは
「我ら自動人形は求められたのならば、その倍を持ってお答えするのが常」
と"武蔵"が言い、そして共通記憶と表示枠両方から
『故に手加減はなく』
"奥多摩"が答え
『故に躊躇いもなく』
"武蔵野"が答え
『故に惜しみもなく』
"浅草"が答え
『故に全力を持って』
"品川"が答え
『故に強さを持って』
"村山"が答え
『故に平等さを持って』
"多摩"が答え
『故に万全を持って』
"青梅"が答え
『故に充足を与えるのが』
"高尾"が答え
「我ら武蔵の侍女としての行いと理解しています───以上」
"武蔵"が以上を告げる。
その返事に酒井は苦笑の色を深めながら、だったら、と前置きを置きながら表示枠に映っている熱田の姿を見る。
「格好つけが大得意の馬鹿が見栄を張れないってことはないだろうなぁ」
おと連続で吠える声が二つ聞こえる。
そしてその吠える声に違う音が響く。
それは甲高い音。金属と金属がぶつかり合った時に響くような金属音。
それは自分と立花宗茂が作っている剣戟音。
この空間は今だけはただの斬撃空間になっている。入ってきたものに相応の力がなければそのまま粉微塵になってしまう一つの地獄の姿だ。
しかし、そんな中で自分の表情が歪んでいくのを自覚した。
「は……!」
笑いの表情に。
これでいい。
剣神はこうでなくてはいけない。常人ならば恐怖するか、尻込みするような闘争の中で笑いながら戦うのが剣神だ。
だから、これでいいのだ。
闘争は俺の領分。
トーリは夢を突き進むのが領分。
お互いの役割に不満何てこれっぽっちも存在しないし、異議もない。
そもそも、自分の役割に不満何て抱いている時点でこの戦いに参加なんてしない方がいい。
それに自分の人生は一度なのだ。ならば、納得できない事をしていたら勿体ないだけではないか。なら、馬鹿な妄想なんてせずに疾走する。
そして勝利を掴む。
馬鹿は理由はどうあれ闘争を望んだのだ。なら、俺は馬鹿の剣らしく、馬鹿らしく勝利をもぎ取るのが俺の役割ってもんだ。
故に、と目の前の強敵を前に獰猛な笑顔を浮かべつつ、相手に聞かせるつもりはない小
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