刃の始まり
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ど加護って奴でな。ちょっとばかり頑丈なわけなんだよ。まぁ、流石に神格武装級か、大罪武装級なら傷は負うんだが……」
「それは砂による威力の減衰をする事で耐えられるダメージにしたって事ですか……」
判断能力も侮れないし、新しく知った能力も無茶苦茶だ。
どうやら防御系の加護。堅いというよりは頑丈と言ってもいいくらいの堅さ。まともに神格武装級か大罪武装級を受けたのなら斬れそうだが、通常の武器ではダメージも通せないという事か。
えげつないという事はこの事か。
だが、この場においては加護に付いては置いといていいだろう。自分の武器は大罪武装。なら、防御の加護があろうと無意味なのだから。
だが、それとは別で疑問はある。
「聞き間違いでしょうか? 貴方は戦闘訓練を受けていないという話だったと思いますが?」
ここまでの動きを見て、これで戦闘訓練を受けていないという話なら、全世界の努力をしている人間に謝って貰わなければいけないレベルだ。
そして、それは違うだろう。
踏み込みや剣の握り、咄嗟の判断力。短い戦闘ではあったが、それくらいは読み取れている。
絶対に誰かからか手ほどきを受けている人間の動きであるし───とてもじゃないが十年間サボっているような体つきではない事は出会った時から見て取れた。
その事に関しては、彼は誤魔化すかのような笑いを表情に出して
「ああ……確かに俺は授業をさぼってはいたが───誰も訓練をしていないだなんて一言も言っていないぜ?」
いけしゃあしゃあと答えた。
だが、それならば納得だ。
十年間、親友を待ち続けた事は見事と言うしかないが、かといって待ち続けるだけでは力になれないと理解していたのだろう。
ならば
「誰が貴方を指導したんですか?」
「どこぞのメイドさん達」
そのやり取りを表示枠で見ていた酒井は苦笑と共に隣にいる"武蔵"に視線を向けた。
視線を向けられた侍女の方はと言うと、やはり相変わらずの無表情であった。
「……口止めされてたの?」
「Jud.口止めもされていましたし、酒井様は口が軽い方なので、言ったら言いふらすと予測できましたので───以上」
信用無いなぁ、と苦笑の色を深めながら事情を聴く酒井。
「十年前に、予測を含めて言うならトーリ様とシュウ様が約束をした直後ですね。突然、私達に土下座をして修行を頼むと申されました───以上」
「だからこの前、確証がない事は言わないって言ってたわけか……」
「Jud.私達の誰かが手を空いている時に、誰かがシュウ様の修業をする。毎回毎回誰にも知られないようにするのに工夫をしていました───以上」
「面倒じゃなかったかい?」
「いいえ」
その事に関してだけは武蔵
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