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不可能男との約束
刃の始まり
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る内燃排気を全て自分の身体に利用している故の恩恵だろう。
不謹慎とはいえ心躍る。
だけど、一番の怖い所はその身体能力より、攻撃力。
問題はその一撃にこちらが耐えられるかという事だが、その事に関しては正しく神のみぞ知るという所である。故にぶつける。
真っ向勝負である。
如何に、こちらのスピードが速くても、相手が強敵である以上、剣をぶつけ合う事は避けられないのである。
あんまり刃と刃でぶつけ合うのは刃こぼれを生じさせるので、注意しなければいけない事なのだが、そうも言っていられないのが、戦いである。
故にやるのならば、全力で相手の刃ごと断ち切る全力の切断。

「おお……!」

咆哮さえも加速の力にして突撃をする。
そしてそのまま袈裟切りを放つ。
そこを狙われた。
相手も大剣でリーチはほぼ同じなのに、刃はまるで滑らかに滑り、突きの形で自分の体と刃の間に差し込まれ、そして無理矢理な力を持って、まるで剣に乗せられて転がるかのように、背後に吹っ飛ばされる。

「くぅ……!」

解ってはいたが、力ではこちらに不利。
純粋な力では熱田の力には拮抗しえない。だが、刃が断たれていないだけ、遥かにマシである。
無論、あちらもこれは姫の感情の一部であるが故に全力を出せないという事情があるのだから、力を出し切っていないのかもしれないが、それでも僥倖には違いない。
そのまま、吹っ飛ばされている体を肩から回す事によって空中で一回転することで着地。
後ろで斬撃音。
恐らく飛ぶ斬撃が来ている事を察して、振り返らず、そのまま前に疾走。
横に不用意に回避しては殺られる。そのまま前に加速し、そして木に到達。
そのまま助走を利用して木登りをする。だが、普通の木登りとは違って、加速に物を言わせて、駆け上がっているのである。
それにバランス感には自信があったので、加速があるのならば、これくらいのレベルは簡単と言えば簡単であった。
そしてそのまま木を駆け昇り、そして頂上辺りに着いて、右足を思いっきり踏み切り、後ろに跳んだ。
それと同時に斬撃が木にまで届き、砕いているのが見えたが、先に下でこちらを迎撃しようとしている剣神を見る、

「おおぉ……!」

まるで発条に乗って飛んできたかのような跳ね上がりだが、地面に罅割れるほどの破砕音を聞いたら、どんな脚力をしているんだと叫びたくなる。
咄嗟に迎撃。
剣神相手に防御としての攻撃では返せないというは体感している。この相手には攻撃としての攻撃ではなくては、対処できない。
そして真っ向から迎撃のタイミングは合ったとはいえ、相手の突進力に押し負けるのは自明の理なので、そのままわざと弾かれた。
先程と同じ体の運用で着地する。
今回は自分が相手の背後を取った。なら、こちらが圧倒的に有利だ。相手は十メート
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