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不可能男との約束
刃の始まり
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刃は太く、まるで斬馬刀のような印象を与える。
そう───まるで大罪武装のような。

「馬鹿な……!」

そんなはずはないと声高らかに叫びたいが、違うともいえない。
何せ、今のこの戦闘の理由が隠されていた大罪武装という事なのである。もう一つくらいあってもおかしくはないと言えばおかしくはないのだが……。

それにしてはおかしい!

既存の大罪武装は生物的な所だけであって、あんな機械的なイメージは湧かない。
なのに、何故かこれだけ異形なのか?
そしたらこちらの疑問を察したのか、ああ、と前置きを置いて剣神は語った。

「残念ながら、これは人間の大罪を象徴している大罪武装なんていう大層な武器じゃねえよ。まぁ、似てはいるし、クラスも大罪武装級ではあるが」

「では……」

わざわざ大罪武装に例えたのだ。
それならば、アレもこっちと同じ歴史には残っていない武装。未知なる兵器という事である。

「まぁ、強いて言うなら───これは俺の(・・)大罪ってとこかね。勿論、名前もない。無銘でも何でもいいぜ?」

「……」

聞き逃せない台詞。
だが、この場では意味がない台詞。ならば、それを追及している場合でもないし、別段、深く知りたいとは思わない。
今することは戦意を磨く事だけである。
その態度に、ようやく剣神は自分の笑顔を浮かべた。
すなわち、野性味のある闘争心たっぷりの顔を。

「そうだよ、そうさ。俺達は今、結構格好良い所に立っているんだぜ? なのに、つまんねえ説教させやがってよぉ」

今は戦場

「そして俺達は意志とは関係ないが、今、世界の一部を背負っているんだぜ?」

それならば

「テンション上げないわけねーだろうよ、男ならよぉ!」

キメテやろうじゃねーか、なぁ。

「世界を決めれる闘争を出来るんだぜ? ここで格好つけなきゃ男が廃るってもんだぜ!」

「……言いたいことはありますが、男が廃るという意見には同意見です!」

よく言った。
ならば

「武蔵アリアダスト教導院副長・剣神・熱田・シュウ」

「アルカラ・デ・エナレス教導院第一特務・神速・立花・宗茂」

「いざ!」

「尋常に!」

そして最後は揃えて吠える。

「勝負しましょう!」

「勝負しようぜ!」










初手はお互い突撃。
違いは、宗茂は加速術式を使い、熱田はただ純粋な身体能力で突撃。
しかし

これは……!

速い。
言葉で表すなら、普通の身体能力以上、加速術式以下という所だろう。
術式なしで、これならば十分に合格点である。
恐らく、爪先から足の付け根までの力を全部利用した理想的な疾走。更には術式を使えない代わりに、その体にあ
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