第25話
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ください!その少女も先程の屍鬼の半グレ達同様、”息吹”がありません……!」
リタを目にしたアニエスとアーロンが戸惑っている中、リタに命の息吹がない事に気づいていたフェリは武装を構えてヴァン達に警告した。
「武器をしまえ、フェリ。そいつは今までの屍鬼達と違って、安全な屍鬼―――――いや、”幽霊”だ。」
「ええっ!?」
「”幽霊”って………つーか、まさかとは思うがそのガキの幽霊?とも知り合いなのかよ。」
しかしヴァンの制止と説明の言葉を聞くとフェリは驚きの表情で声を上げ、アーロンは信じられない表情でヴァンに確認した。
「ああ。俺だけじゃなく、エレインや”エースキラー”の連中とも知り合いの”特殊な幽霊”だ。」
「ヴァ、ヴァンさんだけでなくエレインさんやクレア少佐達のお知り合いなんですか……!?」
「はい。……お久しぶりですね、リタさん。こうして会って話をするのは、1年半前の”ヘイムダル決起”以来ですね。」
ヴァンの説明を聞いて驚きの表情で声をあげたアニエスの言葉に頷いたクレアは静かな笑みを浮かべてリタに声をかけた。
「ふふ、あれからもう1年半も経っていたんですね。あ、初対面の人達もいますから、まずは自己紹介からですね。―――――”冥き途”の見習い門番のリタ・セミフと申します。ヴァンさんやクレアさん達とは3年前に様々な理由で知り合いました。」
「”セミフ”………?」
「えと、”冥き途”というのは?」
クレアの言葉を聞いて懐かしそうな表情を浮かべたリタはアニエス達を見回して自己紹介をし、リタの名前を聞いてある事が気になったアニエスは不思議そうな表情を浮かべ、フェリはリタが自己紹介の際に口にしたある言葉について訊ねた。そしてリタは”冥き途”について軽く説明した。
「ええっ!?ということはリタさんは……」
「死者達が向かう冥界に繋がる門の門番さんですか………」
「ふふっ、わたしはあくまで”見習い”ですけどね。」
「ちなみにリタ君はこう見えて、数百―――――いや、もしかしたら数千年以上の時を過ごしているから私達よりも遥かに年上なんだよ?」
「まさかのロリババアかよ……」
”冥き途”とリタの役割を知ったアニエスは驚き、フェリは信じられない表情で呟き、苦笑しながら答えるリタの年齢についてアンゼリカが答えるとアーロンは呆れた表情でリタを見つめた。
「それで?何でお前さんがこんな所にいるんだ?」
「私が冥界の管理者であるタルタロス様の指示によって、ディル=リフィーナにとっては異世界であるこの世界を回って調査している事は以前お話しましたよね?それでここの近くの都市で滞在している時に、凄まじい怨念を感じましたから、それを調べにここに来たんです。」
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