美的感覚と性格の悪さ
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している時以上に瞳を輝かせ、彼は私を自室に誘おうとする。
「MPって魔道機械を知ってるかい? それを使って現在までに発表されている楽曲の素晴らしさを教えてあげよう!」
「MP? な、名前は聞いた事があるが……」
「じゃぁ是非とも購入するべきだよ! まだ発売したてで世の中に広めてる最中だから凄く安いんだ。この機会を逃すと大損だよ!」
「“大損”って……君は商売人かい?」
「まぁまぁ……お小遣いは貰ってるのだろう?」
「そ、そりゃ……多少は……」
この年齢でお小遣いってのは多少気が引けるけど、まだ身分は学生だから……
「其奴の家は、この10年程で急成長した『ブールグ商会』だから、それなりに成金一家だ。働かなくたってパパから小遣いくらい引き出せるだろうよ」
間違ってはいないがウルフ宰相閣下の言葉にはトゲがある。
「ほら、何時までもここに居るとウルフ閣下から嫌味を言われ続けるよ。それでは陛下、本日はこれで失礼致します。コンサートチケットの件は宜しくお願い致します!」
「おう、明後日までには用意しておくから、取りに来てくれ」
見せてた私の絵を素早く纏め回収すると、屈託の無い笑顔で陛下等に挨拶して踵を返すルディー君。
彼の性格が羨ましい。
だが私はこんなにも流されやすい性格だったのだろうか?
彼に導かれるまま、彼の部屋で音楽鑑賞に興じている自分が不思議である。
ザルツSIDE END
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