美的感覚と性格の悪さ
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「そう言われても……俺、もうコイツの事嫌いだしなぁ……」
「頭が良すぎると、そういう感情も永遠に拭えなくなるんですね。かわいそう」
コイツ……言うなぁ。
「何でお前に同情されなきゃならねーんだよ!?」
「ルディーは優しいなぁ? 僕やウルフはとばっちりで美術眼を貶されたけど、お前に関しては真っ向から貶されたワケじゃん。怒らないの?」
「怒りませんよ事実ですし。悔しい気持ちはありましたから、今後は一層努力するつもりですけど。寧ろ欠点を指摘してくれる人物は貴重でしょ?」
「若いのに人が出来てるなぁ……お母さんが美人だからか?」
陛下にはルディー君の母親の美貌が関係するのかな?
「母の美貌は少しだけ関係あるかもしれませんね……なんせお祖父様からの教えですから」
祖父からの教えなら母親の美貌は無関係だろうに……
如何言う意味だ?
「お祖父様に教わったんです。『100の利益があって、それを誰かと争って奪い合えば……負ければ0利益だし、勝っても争った影響で被害が出て30利益になる。でも争わずに折半すれば50利益で収まる。そうやって自身を強大にしていけば、何れは争わずに100利益を得られる様になる。敵を作るよりも味方を作る事に尽力せよ!』って」
「お前の爺さんはハゲてるくせに良い事言うなぁ」
「はい。だから母が美人なんですよ! ティーミー殿下もイケメンだし、リュリュ様も美人でしょ!」
遠回しに陛下の事を褒める。
遠回しに陛下の事を貶してしまった私とは大違いだ。
でも私はお目にかかった事は無いけどルディー君のお祖父様の頭皮の薄さを皆さんは話題にしているが、お孫さん的にはそれでも良いのだろうか?
お母様の美しさも共通認識な様だし……
「お前は良い子だなぁ。よ〜し、再来週だけど開催する予定のプリ・ピーのコンサートチケットをあげちゃう!」
「え、やったー! ラッキー!」
何で陛下が新人の音楽グループのコンサートチケットを持ってるんだ?
「新しい友人である其奴の分もやるから、お前のプレゼン力で“ファン”という名の“沼”に引きずり込め(笑)」
「了解であります陛下! 僕の微少なプレゼン力でもプリ・ピーの魅力ならいとも容易く“ファン”と言う名の“底なし沼”に引きずり込んでみせられます!」
な、何とも凄く恐ろしい事を言っているが、彼の陛下に対する最敬礼は、本職の軍人の様に姿勢が美しい。
だが彼は何時も明るく人当たりが良いから、悪い感情が湧いてこない。
嫉妬心で作品を侮辱してしまう私との違いだろう。
「よ〜し……そうとなったら、早速僕の部屋で予習をしよう!」
「よ、予習!?」
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