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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
マリア、苦手克服への道
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て言うなら、今回のランチは間が悪いってところか?」
「間が悪い?」
「セレナ」
「うん」
口で言うよりも見せた方が早いと、ガルドは先程セレナが盛り付けていた皿をマリアに見せた。その皿の上に乗っている料理、取り分け料理を彩るある具材を見て、マリアも2人の言いたい事が分かった。
「う……これ……」
「うん……今日のランチのメインの……」
「豚肉のトマト炒めだ」
しっかり焼かれた豚のバラ肉に絡む様に赤いトマトが湯気を立てる。トマトの爽やかな香りが本来は食欲をそそるのだろうが、マリアが相手となると話は違った。
それと言うのもマリアはトマトが大の苦手なのだ。そんな彼女にここまでトマトを前面に押し出された料理は、相性が悪いにも程がある。
「因みにマリア? 今日のランチは……?」
「……まだよ」
だから今こうして食堂に居るのだ。任務が手早く終わったから、愛する家族の手料理でも食べて精を付けようとしたらこれである。2人が間が悪いと言った理由がよく分かった。
「そう言う事なら仕方ないわね。なら、私の分はメイン無しで……」
「あ〜……その事なんだがな……」
「何?…………え、まさか……!?」
「そのまさかなの」
そう、この日のランチは全てトマト尽くしだったのだ。トマトとサーモンのマリネに始まり、サラダはトマトとキュウリにツナをマヨネーズで和えたものだし、スープはトマトの風味溢れるミネストローネ。そしてデザートにトマトのゼリーだ。
これでもかと言うくらいのトマト押しのメニューに、流石のマリアも衝撃に顔を引き攣らせた。
「どうする? 少し時間貰えるならマリアだけ別に作るが?」
「うぐ……」
マリアのトマト嫌いはガルドもよく知っている。意図していなかったとは言えこれをマリアに食えとは流石に言えなかったので、ガルドは救済策としてマリアだけ別に特別メニューを用意するかと問い掛けた。それは今のマリアにとってはとても甘美な誘惑であり、思わずそれに飛びつこうとしてしまった。
が、しかし…………
「こんにちわ〜! セレナさん、お昼ください!」
「あ、は〜い!」
時間が時間な為、他の者達も次々とやってきては料理を受け取っていく。その中には当然仲間の装者達の姿もあり、調や切歌、果てはエルフナインやキャロルまでもがトレーに料理を乗せ、テーブルで舌鼓を打ち始める。
キャロルはともかくとして、他は誰もがマリアより年下ばかり。そんな彼女達が物怖じせずトマト尽くしのメニューを平らげていく横で、自分だけトマト抜きのランチを食する度胸は流石に無かった。
「い、いいえ! 私にも皆と同じものを頂けるかしら!」
「い、良いの?」
「無理はしない方が……」
「ここで逃げる訳にはいかないのよ!
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